目次

[1]早稲田実業で「エースナンバーをつけて全国制覇する」
[2]
2つの視点をもって目標を立てる大切さ
[3]
チャンスをもらえるようにアピール

 エンゼルス・大谷 翔平投手(花巻東出身)のMVP獲得の影響で、二刀流がこれまで以上に注目を集める時代となってきたが、他競技との二刀流、マルチスポーツの経験者として、プロの世界へ挑もうとしている選手がいる。

 最速150キロを誇る吉村 優投手。早稲田実業時代は中学軟式出身ながら、エースとして最後の夏はベスト8進出を果たした。早稲田大進学後は、野球から離れ、米式蹴球部に入り、アメリカンフットボールの世界へ進む。一からのスタートだったが、3年生からは主力選手として活躍。全国の舞台も経験した。そして2021年からは再び野球の道に戻り、2022年からは独立リーグの徳島インディゴソックスへ入団する予定でいる。

 高校、大学ともに華々しくスタートを切ったわけではない。それでも、地道な努力を通じて大舞台で活躍した。吉村投手が取り組んできた努力の仕方、積み重ね方は、厳しい練習に打ち込む現在の球児にも学べるところもあるはずだ。


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早稲田実業で「エースナンバーをつけて全国制覇する」


 野球界へ足を踏み入れたのは、早稲田実業の偉大な先輩の姿が始まりだ。

「小学2年生の時、斎藤 佑樹さんが甲子園で優勝しました。それを見て、『早稲田実業に入学して、全国制覇をするんだ』と思って、4年生からはクラブチームへ入りました」

 友達のいたクラブチームで楽しく野球をやっていたが、6年生に進学したと同時に1度野球から離れる。中学受験をするために、小学校最後の1年は勉強に集中する時期になった。

 周りの友達が遊んでいる中、自分は受験勉強のために塾へ行く。「ストレスはありました」と苦笑いをしながらも、我慢できたわけをこう語る。

早稲田実業で全国制覇するんだ。エースナンバーをつけて、斎藤 佑樹さんと同じ景色を見たいと思って、何が何でもやるつもりでやっていました」

 その一心で苦しい受験勉強を乗り越えて、晴れて早稲田実業の中等部に合格。軟式野球部に入部し、「1年間のブランクもありましたので、とにかく3年間楽しんでやりました」と様々なポジションを経験しながら3年間を過ごした。

 そして、いよいよ高等部へ進学する際、吉村投手はあることを知った。

「その世代の戦力によって違うとは思いますが、中学の軟式から硬式へ進んでも、ベンチ入りするのが2人くらいだったんです」

 試合に出るどころか、ベンチすら難しい。厳しい現実を知った吉村投手は考えた。「中学生の時に硬式球に慣れておこう」と。そこで知り合いに相談していき、八王子ボーイズへ入部させてもらった。

 そんな八王子ボーイズで、出会った河合雄也氏の存在が人生を大きく変えた。

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