あれから、やがて1年が経とうとしているが、こんな劇的に変わるとは予想外だった。

 プロ野球の巨人とソフトバンクのことである。

 2020年10月27日、ソフトバンクが3年ぶり19度目のリーグ優勝を決めた。その3日後、10月30日に、巨人が2年連続47度目のリーグ優勝を果たした。その2チームは、くしくも10月12日、同じ日に今季の「終戦」を迎えてしまった。巨人は阪神に敗れて7連敗。阪神との今季の対戦成績でも、14年ぶりの負け越しが決まった。

 1点ビハインドの9回二死走者なし。阪神の絶対的守護神スアレスの前に、チームの大黒柱・坂本 勇人内野手(光星学院出身)が、159キロ、160キロ、162キロと、3球連続して直球を空振りする「屈辱」の三振を喫しゲームセットとなった。巨人の3連覇の夢が完全に消滅…。坂本の悔しい表情がすべてを象徴していた。

 坂本は9月は14打点と大暴れしたが、10月は9試合で4打点に終わっている。もっと厳しい状況の選手もいる。4番の岡本 和真内野手(智辯学園出身)だ。9月24日阪神戦で1発含む2安打3打点を挙げて以降、14試合連続で打点がない。今季の通算105打点で完全にストップしてしまった。やはり、これでは勝てない。10月に入りチームは2連勝スタートも、それから7連敗。月間9戦で17得点。1試合2点も取れない打線になってしまった。こんな姿はみたことがない。

 ソフトバンクもこの日、優勝の可能性が完全消滅した。日本ハムには勝利したが、オリックスとロッテが引き分けたことで、残り試合に全勝しても勝率で首位オリックスを上回ることができなくなった。工藤監督は今季限りでの退任が濃厚の状態。バレンティンの正式退団も発表された。

 前日11日はドラフト会議だった。来年そして未来のチームのために12球団が戦った日だった。その翌日、両リーグを代表する盟主の今季が終わった。両リーグともに昨年最下位だったチームが首位を走っている。冷静に見れば、ヤクルトもオリックスも若い力がチームをけん引しているのが分かる。ドラフトで補強した成果が、一気に噴き出しているようにも見える。世代交代の時期でドラフト戦略がうまくいっているようでうまくつなげることができなかったソフトバンクと、相変わらず同じメンバーに頼っている巨人。「現状維持は後退と同じである」の言葉を思い出す。

 今年のドラフト、パ・リーグでは西武、セ・リーグではDeNAがいい補強をしたと思っている。来年以降へ、大きく飛躍する可能性を秘めている。両リーグの盟主も、早く舵を切らないと長いトンネルに入ることになる。

記事=編集部