試合レポート

常総学院vs水戸商

2018.08.01

常総学院が水戸商に勝利して決勝進出!小林俊輔は茨城の本塁打記録更新ならず。細川成也と同数の高校通算63本塁打で幕

 第1シード常総学院と第4シード水戸商が順当に勝ち上がって準決勝で対戦することとなった。

 先攻・水戸商の先発は背番号1の左腕・川澄裕音が、後攻・常総学院の先発は背番号11の右腕・塙雄裕(2年)となった。

 まず常総学院が先制する。2回裏、先頭の4番・藤川寿真がライト前ヒットで出塁し、盗塁とパスボールで無死三塁から5番・斉藤勇人(2年)のレフト前ヒットで1点を先制する。

 先制を許した水戸商は4回表に同点とする。先頭の1番・磯部晃喜(2年)が四球で出塁し、内野ゴロで二死二塁から、4番・小林俊輔のレフト前タイムリーで同点に追いつく。

 追いつかれた常総学院はその裏に突き放す。先頭の3番・菊田拡和(2年)と4番・藤川の連打と内野ゴロゲッツーで二死三塁から、6番・吽野圭祐のセンター前タイムリーで勝ち越しに成功する。さらに7番・大久保龍成がセンター前ヒットでつないで二死一、二塁から、8番・菊地壮太(2年)のセンター前ヒットで1点。なおも二死一、二塁から、9番・塙のセンター前ヒットで1点。返球が暴投となって二死二、三塁から、1番・水野勢十郎の内野安打で1点を追加しこの回4点を奪う。

 水戸商は7回までに4個の四死球と2本のヒットと1個のエラーで毎回先頭打者を出塁させるが、4個のゲッツーと1個の盗塁失敗で、この試合でスコアリングポジションにランナーを進められたのは得点できた4回の一度きりだ。その後の2イニングも三者凡退に倒れて反撃ならず、5対1でそのまま終了。

 常総学院先発の塙が7回まで毎回先頭打者を出塁させる苦しい展開ながらも、ピンチを広げることなく最少失点で完投勝利を収めた。攻撃陣は4回にセンター方向中心に見事な集中打で畳みかけた。

 塙雄裕は最速142キロを計測し、ボールに力がこもっていたが付け入る隙は何度もあった。水戸商としては7度も先頭打者を出しながら、バント失敗や内野ゴロ併殺でチャンスを1度しか作ることができず、水戸商らしからぬチグハグで消化不良な攻撃であった。完投した左の本格派・川澄は最速140キロを計測。4回には連打を浴びたが、5回以降は崩れることなく無四球で粘り強く投げた。

 高校通算本塁打63本の小林俊輔にはアーチが生まれず、細川成也(横浜DeNA)と並ぶ茨城県記録は更新されないままで終わった。

 

(文=伊達 康

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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