驚異のペースで本塁打を重ねる若き4番・村上宗隆(九州学院出身)のバットは「青木宣親モデル」?
村上 宗隆(九州学院-東京ヤクルト) 写真提供=ミズノ社
東京ヤクルト・村上 宗隆(九州学院出身)はミズノ社主催の「オンラインイベント」に参加した。
今季は120試合全て4番打者として出場。28本塁打、86打点、11盗塁、打率.307をマークし、一軍デビューした昨年と比べて打率面で大きく数字を伸ばした。村上は今シーズンを振り返って、
「確率という面で成長できたシーズンでした。2019年のシーズンでは規定打席に到達した打者の中で、最下位の打率で、周囲からはずっと打率、打率といわれていて、なんとしても打率を残したいと思って臨んだシーズンでした。
結果的に打率3割に到達できて、非常に嬉しかったです。本塁打と打点だけではなく、打率も高いことをアピールできてよかったです。とはいえ、最下位に終わったチームの4番打者として、責任は感じていますし、もっとレベルアップをしなければならないと思っています」
高卒3年間で通算65本塁打と驚異的な成長曲線を見せている村上。その手助けとなっているのがバットだ。現在は880グラム~900グラムのバットを採用している村上。その重さは高校時代からほぼ変わっていない。
進化のきっかけは青木宣親(日向出身)のバットだった。高卒2年目。なかなか思うような打撃ができず苦しんでいた村上は自主トレで一緒にトレーニングをしていた青木からバットを借りた。そのバットで本来の調子を取り戻し、2019年は36本塁打につなげた。
村上のバットはスラッガータイプの選手が使うグリップが細いタイプではなく、85センチで、グリップも太く、880グラム~900グラムとやや重め。アベレージヒッターが使うバットと似ているという。担当者のバットクラフトマン・名和民夫氏によると、
「スラッガータイプには珍しいタイプで、ヒットの延長線上がホームランという村上選手の打撃スタイル、思考が現れていると思います。
本人からの説明にもありましたように、若手選手のバットは先輩から借りたバットをお手本にして、自分の感覚に合うバットをリクエストをするのは一般的です。雄平選手も似たタイプのバットですし、バットの形状、求めるものは球団によってカラーが出てくると思います」
そのバットは村上の感覚に合う一番のベストアイテムだった。今シーズン当初は重めのバットを採用していたが、結果的に2019年型に落ち着き、安打を重ねた。村上は「色々注文をつけてしまいご迷惑をかけましたが、自分にあうバットを作っていただき感謝をしています」と名和氏に感謝の言葉を述べた。
2021年についてはアベレージヒッター向けのミドルバランス形状を使用予定だ。
来シーズンは3割、30本、100打点を最低ラインとした村上。
自慢のバットで、さらなる進化を遂げる。
(記事=河嶋 宗一)