修徳vs都立紅葉川
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スイング150キロの強打者・佐藤大空ら中軸が爆発 7回コールドで修徳が初戦突破
ホームインして笑顔でベンチに戻る修徳・佐藤 大空
2日より秋季東京都大会が開幕。[stadium]江戸川区球場[/stadium]では、この夏の東東京大会でベスト4まで勝ち進んだ修徳と都立紅葉川が対戦した。東東京同士の対決を振り返っていくと、両チームともに打線が光るチームだった。
試合は初回、都立紅葉川は4番・島津 青波の一打などで2点を奪う。直後、修徳も4番・牧野 颯太の一打などで点数を奪い、3対2と修徳がリードして迎えた2回、4番・牧野が追い込まれてから高めに浮いたボールを叩き、ライトスタンドに運ぶホームランで6対2とリードを広げた。
これで都立紅葉川の勢いを止めると、修徳先発・篠崎 国忠が好投を見せる。191センチの長身を生かした角度を付けた勢いある真っすぐを中心にアウトの山を重ねて、試合のペースを渡さない。
4回には注目のスラッガー・佐藤 大空にタイムリーが生まれて8対2と6点差までリードを作ると、7回にダメ押しとなるタイムリーを7番・若松 恭佑が放ち、9対2とコールドが成立。修徳が2回戦進出を決めた。
まず勝利した修徳は、中軸の厚みが良かった。
旧チームから注目されてきたスラッガー・佐藤が3番に座る。ヘッドの重みを上手く使って、打球を飛ばしていくバッティングは今も健在。第1打席はレフト線を破るタイムリーを放って見せたが、この時も上手くヘッドを利用して鋭いスイングで、ライナー性の打球を飛ばした。
4番に座る牧野は、隙の少ない構え方が印象的な打者だ。ボールの軌道に上手くバットを入れてミートさせる高い打撃技術も光る。2回にはライトフェンスに突き刺すホームランを放って見せたが、3番・佐藤に代わって4番に据えたくなるのも納得いく打者だ。
最後は5番・大越 椋。軸をあまりぶらすことのない安定したスイングで、広角に打ち分けられる器用さがある。加えてしっかり上からバットを出すことができており、技術的に光るものを感じさせる打者だった。
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ホームランを放った修徳・牧野 颯太
勝った修徳の荒井監督は都立紅葉川の打線が好調なことを聞いていただけに「点数の取り合いになるだろう」と想定していたそうだが、3番・佐藤に対しては「まだまだです」と決して及第点は与えない。
その佐藤は、夏の活躍で満足せず、150キロを超えるようなボールを投げる投手を打つために新チームから練習を重ねてきた。
「マシンを145キロ前後に設定して速球対策をしましたし、スイングスピードを上げられるように、素振りからスイングスピードが上がるように練習してきました」
中学時代から大事にしてきたというスイングスピードは、現在最速で150キロとのこと。平均でも145キロと驚異的な数字を記録する。素振りはもちろん、身体づくり。さらには食事など細かなところまで気を遣い、そのスイングを手に入れたという。自慢のスイングで今大会どれだけヒットを量産するか。次戦以降も快音を響かせるか楽しみだ。
対する都立紅葉川は、4番・島津が良かった。
上体は高く、ヒッチ気味にタイミングをとるが、少し差し込まれても、フォローが大きいスイングでボールをしっかりと飛ばすバッティングだった。
また、キャッチャーとしても良いプレーをいくつかみせた。スローイングは遠投100メートルの地肩と、スナップを利かせて最速2.06秒(手動計測)を記録した。力むことなく投げるので、送球が安定しており、タイム以上に刺せる送球だった。キャッチングも安定しており、フットワークも軽い。良い捕手であることは間違いなかった。
島津以外にも、都立紅葉川全体を通じて、バットが振れている選手が多く、都大会初戦で負けるのが惜しいチームであり、一冬超えてどれだけ伸びるか楽しみなチームだった。
そのことについて高橋監督は「この夏は点数が取れずに負けたので、攻撃野球をテーマに新チームはやってきました」と打力強化に力を注いできたことを明かした。
緩い手投げのボールを遠くに飛ばすために、大きくスイングするところから打撃強化を始めた。ボールを飛ばすために必要なことを学ぶと、現在は徐々に無駄をそぎ落としている最中だという。島津は「上手くフォームがハマっている人が、この秋は打てていると思います」と、チームの状態を分析する。
中盤以降は相手に呑まれたが、自分たちの野球を十分に発揮した。春以降は、1試合通じて継続することが出来るか。春以降も都立紅葉川の打線に注目だ。
(記事=田中 裕毅)
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都立紅葉川・島津 青波
修徳先発・篠崎 国忠
都立紅葉川の得点シーン