試合レポート

樟南vs鹿児島商

2023.03.29

強気のプレー、勝機引き寄せる・樟南

樟南vs鹿児島商 | 高校野球ドットコム
樟南7点目・畝地 竣己

<春季九州高校野球鹿児島県大会:樟南7-6鹿児島商>◇29日◇3回戦◇鴨池市民

 樟南鹿児島商。鹿児島を代表する伝統校同士の一戦は終盤までもつれる展開となった。

 先手をとったのは鹿児島商。2回表、2死から6番・石原 翔和(3年)が左翼席にソロを放ち、9番・入田 和哉(2年)も左前適時打を放って2点を先取した。

 その裏1点を返した樟南は3回裏、1死一、二塁から6番・小峰 康矢(3年)が左翼席にライナーで飛び込む3ランを放って逆転に成功する。

 4回は4番・坂口 優志(2年)、5回は中 尾翔人(3年)の適時二塁打で1点ずつを加点し、樟南が主導権を握ったかに思われた。

 鹿児島商は7回表に1点を返すと、8回は3連打を浴びせ、3番・山元 真ノ介(3年)の左前適時打で1点を返し、なお満塁と好機が続いて2つの押し出しで同点に追いついた。

 樟南は8回裏、1死から3番・畝地 竣己(3年)が右翼席にアーチをかけて勝ち越し。2回途中から粘りのロングリリーフを続けた左腕・新藤 侑志(2年)が9回を無失点で切り抜け、接戦をものにした。

 樟南は終盤、畝地の強気なプレーが勝機を引き寄せた。

 同点に追いつかれた直後の8回裏。「今大会、ヒットがなかなか出ず、チームに貢献できていなかった」責任感をバットに込め、追い込まれながらも内角高めを迷わず振り抜き、値千金の勝ち越し弾を放った。

 打の強気が守備にも乗り移る。9回表は1死から二遊間に抜ける打球をダイビングして食らいつく。内野安打にはなったが、次の一、二塁間深い当たりを処理し、素早く二塁送球。間一髪でアウトをとった。

 点差があれば確実に一塁に投げるが「1点差の接戦。先の塁には進めたくなかった」強気なプレーが生きた。最後の打球も確実にさばいて、試合を締めくくった。

 初戦から苦しい戦いが続きながらも8強に勝ち上がった。次の相手は秋の覇者・神村学園。畝地は「絶対に勝って九州大会に行く!」と強い決意を語っていた。

(取材=政 純一郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.22

【鹿児島】神村学園は鹿児島商と沖永良部の勝者と対戦、鹿児島実は大島と初戦で対戦<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.22

【岐阜】県立岐阜商は高山西と対戦、同ブロックに中京<2024夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.22

南北海道室蘭支部が開幕!北海道栄、苫小牧中央がコールド発進【2024夏の甲子園】

2024.06.22

【愛媛】23日に抽選会!名門・松山商が1歩リード、済美、今治西が追う展開か<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.22

奈良の組み合わせ決まる!天理と智辯学園が同ブロック、春秋Vチームが4強かけて激突も【2024夏の甲子園】

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.18

今夏埼玉の注目野手18人! ドラフト1位級の花咲徳栄スラッガーを筆頭に浦和学院・昌平らに大型選手が揃う【埼玉注目野手リスト】

2024.06.18

昨夏甲子園出場の東海大星翔進路紹介!遊撃手は阪神、エースは専修大、主将はレギュラーとして大学選手権出場!

2024.06.19

夏の兵庫大会のヒーロー候補21人!報徳学園・今朝丸、神戸弘陵・村上の「151キロ右腕二人」が筆頭格!投打にタレント揃いの東洋大姫路にも注目

2024.06.18

激戦区・兵庫の組み合わせ決定!センバツ準V報徳学園は舞子と明石北の勝者と、3連覇狙う社、プロ注目右腕・槙野遥斗擁する須磨翔風など注目校の初戦は!?【2024年夏の甲子園】

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.24

春季近畿大会注目選手17人! 智辯和歌山の大型右腕、大阪学院大高の全国トップレベル遊撃手、天理のスラッガーコンビら逸材がこぞって出場!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.05.25

【長崎】長崎北、長崎日大、創成館などが勝利<NHK杯地区予選>