これぞ躍進！秋、春一次ブロック敗退の瀬戸が、逆転勝利で3回戦進出！【24年夏・愛知大会】

＜第106回全国高校野球選手権愛知大会：瀬戸 4―3 渥美農＞◇13日◇2回戦◇パロマ瑞穂球場

【トーナメント表】愛知大会　結果一覧

東三河地区の渥美農は、この春も一次リーグは１位で通過しており、二次トーナメントに進出。このところ、比較的安定した実績もある。瀬戸は、昨秋も今春も名古屋地区一次ブロック予選で敗退しており、県大会出場は果たせていなかった。それでも今大会、瀬戸は初戦で名市工に７対１の７回コールドゲームでの勝利。渥美農も守山に８対０とコールドゲームでの勝利で、どちらも勢いはあると言っていいであろう。

春季大会の実績から、渥美農が若干戦力的には上なのかなというイメージはあった。
先制したのも渥美農で、初回、二死二塁から４番中村駿選手(2年)の二塁打で帰す。追いかける瀬戸は3回、同じように安打とバントで作った二死二塁で4番川口 高明選手(3年)が左越二塁打して同点。さらに続く宅間 悠一郎選手(3年)も右前打で二塁走者を帰して逆転した。

1点を争う投手戦という展開になったが、6回、先頭の3番松井 耀司選手(2年)が二塁打で出ると、中村選手も安打で繋ぎ、暴投で生還。さらに一死二塁から6番高橋 旭選手(2年)のタイムリーでリードを奪う。
このまま逃げ切りたい渥美農は、加藤 翔投手（2年）が馬力で投げていた。9回もそのままのリズムで行きたいところだったが、少し勝ちを意識したのか先頭に四球。瀬戸は続く宅間選手が右線二塁打して二三塁。申告敬遠で満塁となったところで、7番相澤 広翔選手(3年)が大きな左犠飛を放って同点となる。それぞれの走者も進んでいて、一死二三塁。スクイズもあるかなと思われた場面だったが、暴投があって瀬戸は労せずして勝ち越し点を得た。

そしてその裏、稲垣 大海投手（2年）が3人でしっかりと抑えた。プレッシャーのかかる場面ではあったが、落ち着いて先頭打者を打ちとった。こうして、最後まで、ストレートの力も落ちないで、しっかりと投げ切ったのは立派だった。
この春から就任した鈴木健太監督は、「9回は、先頭が何とか出塁してくれれば、１点差なので何とかなるかなとも思っていたけれども、四球で出られてよかった。続く宅間の二塁打が効きました。3年生が活躍してくれたのもよかった」と、3回戦進出を喜んだ。

渥美農は先発9人のうち3年生は先頭打者の廣中 亮太主将のみという布陣だった。2年生が多いだけに、この経験が次のチームにも生きているのではないだろうか。それに、選手各自の下半身もしっかりしているなという印象である。選手たちの伸びしろは、まだまだ十分にありそうな感じでもあった。