試合レポート

豊橋市内の公立校対決は、豊橋西が逆転サヨナラ!【24年夏・愛知大会】

2024.07.14


豊橋西の選手たち

<第106回全国高校野球選手権愛知大会:豊橋西 6X―5 豊橋南>◇13日◇2回戦◇パロマ瑞穂球場

【トーナメント表】愛知大会 結果一覧

東三河地区同士というか、豊橋市内の公立校同士の豊橋ダービー対決となった組合わせ。

豊橋西は春季大会は、惜しくも東三河地区予選で県大会進出まであと一つというところで勝ちきれず進出を逃した。それでも、その悔しさをバネにチーム作りをしてきて、5月の連休以降も、いい形のチームの仕上がり具合を示してきたようだ。

豊橋南は、昨秋の新チームは一次リーグは0勝4敗というところからのスタートだった。春季東三河地区予選では一次リーグで1勝はしたものの3敗で二次トーナメントへ進出することは出来なかった。そこから夏を目指してチームを作り上げてきた。
豊橋西は1回戦では、名古屋工科に7対1と快勝しての進出。豊橋南も岩津・加茂丘・衣台・御津あおばの4校連合チームに12対0と5回コールド勝ちしての進出である。

4回まで、豊橋南は無安打で、豊橋西の左腕山下 桜介投手(3年)に1四球はあったものの3人ずつで抑えられていた。
豊橋西は初回、2回と四死球で出た走者が3度も盗塁を試みたがことごとく刺される。3、4回も安打は出たものの、試合の流れを呼び込みきれないでいた。

そんな展開の4回、豊橋南は先頭の4番有馬 悠登選手(3年)が右越三塁打を放つ。これがチーム初安打。これで一気に流れを引き寄せる。続く渡邊 歩選手(2年)が一二塁間を破って返して先制。さらにバント失策などもありこの回3点となる。

それでも、その裏に豊橋西も二死走者なしから満塁として、4番鈴木 愛貴選手(2年)の右前打で2点を返した。こうして1点差になったが、豊橋南はすぐに有馬選手の二塁打などで2点を奪って再び3点差とする。
こうして、5回以降は4回までとは全く異なる展開の試合となっていった。

前半は押し気味だった豊橋西にとっては、苦しい追う展開が続く形になった。それでも、ベンチから林泰盛監督は「追いかけられている方がプレッシャーがあって苦しいんだから。負けないで思い切って攻めていこう」と檄を飛ばす。

それが効いたか、豊橋西は7回に2つの四球とバント後に相手失策もあって1点差とする。さらに8回には一死一三塁からスクイズを決めてついに同点とする。
こうして同点のまま9回の攻防を迎えることになったが、豊橋南は、四球とバント、さらにバント安打で一死一三塁とするが、ここで盗塁失敗などもあり、豊橋西の守りは何とか耐える。そしてその裏、豊橋西は先頭の3番谷町 寛主将(3年)が四球で出ると、バントで進め、続く星川 凌弥選手(3年)は、「ボクの後の打者も打てるので、繋いでいくつもりで打席に入った」と言うが、「芯で捉えられた感触はあった」という打球は中堅手の頭上を越えていくサヨナラ打となった。

林監督は試合後、「展開としては負け試合でしたね。序盤、攻めようと思って盗塁を仕掛けていきましたが、ことごとく失敗に終わりました。だけど、諦めない気持ちが同点、逆転を導いたと思います」と、苦しい勝ちに安堵していた。

豊橋南の鈴木大介監督は先発牧野 珀投手(3年)から左腕横手投げの小清水 克投手(2年)、さらにライトから4番を打っていた有馬選手をマウンドに送って凌ごうとしたが、最後は力尽きたという感じでもあった。それでも、昨秋は一次リーグ全敗からスタートしたチームは、1年で大きな成長は見せたことは示した好試合だったと言えよう。

この記事の執筆者: 手束 仁

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