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今年の早稲田実業は「清宮が1年生だった2015年」に似ている!? プロ注・宇野を中心に西東京随一の打線が投手陣を引っ張る【チーム紹介】

2024.07.15


早稲田実業の中村心大投手(2年)、宇野 真仁朗内野手(3年)

9年ぶりの夏の甲子園出場を狙う早稲田実業。今大会は高校通算61本塁打のスラッガー・宇野 真仁朗内野手(3年)を中心に強打者が揃い、有力候補に挙げられている。
しかし6月中旬の段階で、和泉実監督の言葉はややネガティヴに聞こえた。
「練習試合では負けっぱなしです。投手陣もなかなか厳しいですし、打線は色々いじっていますが、なかなか…」
とはいえ、過去にもこうした状況から立て直してきたのが早実だ。今年の主力選手や課題に迫っていきたい。

【投手】期待の2年生左腕エースの復活に期待

今年の一番の課題は投手力である。春季都大会3試合で6失点。最も取られたのは明大中野の3失点と大きな失点があったわけではないが、絶対的な投手がおらず、継投の連続だった。打力が上がる夏では苦しい戦いが強いられるかもしれない。

和泉監督が期待しているのは、今大会背番号1をつける中村 心大投手(2年)だ。この春、中村の故障により、早実投手陣は継投でしのぐしかなかった。
中村は故障前、強豪校相手にも快投を演じていた。和泉監督も「能力的なものでいえば、来年の西東京を代表する左腕になるかもしれない投手です」と絶賛する。左スリークォーター気味から最速140キロの速球、切れ味鋭いスライダーで勝負する。高校入学後からテークバックを小さい投球フォームに修正して、入学当時は120キロ後半だったが、10キロ以上も球速アップした。
取材日は、慎重にネットスローを繰り返しており、「夏は絶対に投げたい」と決意を語った。

しかし、故障上がりの中村のフル回転は難しいだろう。「どちらにしても継投策になる」と和泉監督が語るように、春季都大会でも好投を見せた右の技巧派・山﨑 啓生投手(3年)が軸となりそう。ほかにも、唐箕 大和投手(3年)、金城 繁虎投手(1年)、灘本 塁投手(2年)、浅木 遥斗投手(2年)がベンチ入り。練習試合を通して、チャンスを掴んだ投手陣が奮闘できるか。

【野手】高校通算61本塁打のスラッガー・宇野が1番に!2年生打者も成長すればさらに強力打線に!

超高校級スラッガー・宇野 真仁朗内野手(3年)は春季大会後、さまざまな打順で打ってきた。結果的には最終的には1番で落ち着きそうだ。和泉監督は「1番が合っているかなと思います。最も打席が回って、走塁も非常にうまいので、ワンヒットで還れる」と長打力、走塁技術を評価し、1番打者として期待する。
また、大型遊撃手・高崎 亘弘内野手(3年)はシャープな打撃で次々と長打を放ち、守りでもダイナミックな守備で観衆を沸かせる。石原 優成内野手(3年)は腕っぷしの強い打撃から強烈な打球を飛ばす左打者だ。

和泉監督に打撃指導を受ける宇野 真仁朗(早稲田実業)

和泉監督は2年生打者の活躍を期待している。
「練習試合を見る限りではまだまだ…彼らが伸びてくれば面白い」
春では3番を打った國光 翔内野手(2年)、1年夏からベンチ入りする左打者・山中 晴翔捕手(2年)が持ち味を発揮できるか。

初戦では強豪・明大中野八王子と対戦する早実。今年の早実は清宮 幸太郎(日本ハム)が1年生だった2015年に似ている。
「勝ち進むごとに成長するようなチームになるのが理想です。2015年の夏、あのときも投手陣が不調で打たれることが多かった。ですが、勝ち進むごとに投手陣も整備されてきました。今年もそんな戦いになればと思っています」

攻撃力の高さは今年の西東京では随一。自慢の強力打線が投手陣を引っ張り頂点まで勝ち上がることができるか。

次のページ:【一覧】早稲田実業 夏の大会のベンチ入り選手

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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1 Comment

  1. 小野 綾乃

    2024-07-24 at 5:31 AM

    早実、頑張れ\(*⌒0⌒)♪
    息子共々応援してます。
    卒業生みんな応援してますよォ⊂(^・^)⊃

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