タイブレークで勝ち上がった同士の対決、岡崎工科が名古屋に競り勝つ【24年夏・愛知大会】

2024.07.16

岡崎工科ナイン

＜第106回全国高等学校野球選手権愛知大会：岡崎工科 4―2 名古屋＞15日◇3回戦◇刈谷球場

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先日の一宮西との2回戦は、ノーヒットに抑えられながらも、タイブレークの末に辛くも勝ち上がった岡崎工科。平松忠親監督は「相手の投手がよくて、なかなか打たせてもらえずヒヤヒヤの展開でしたが、最後は何とか点をもぎ取った」という勝ち方だったという。それを一つの反省材料として挑む3回戦である。

名古屋は、春季大会は名古屋地区を2位トーナメントから勝ち上がって県大会進出を果たしている。ただ、県大会では名古屋たちばなに完封負けした。そこからの立て直しで挑む夏となった。2回戦では、西三河地区の進学校でもあり有力公立校の刈谷と競り合い、タイブレークの末に勝ち上がっての進出である。こうして、ともにタイブレークで3回戦進出を果たした勢いのある同士の対決となった。

2回戦を無安打で勝った岡崎工科の平松監督は、「勝つことはもちろん大事だけれども、まずはヒットを打とう」と冗談も交えて、言ったという。
その岡崎工科、初回に四死球で作ったピンチを逃れるとその裏、先頭の清水椋介選手(3年)が三塁線を破る二塁打。バントで進めると、3番村山翔瑛選手(3年)が左犠飛を放って先制した。「元々は、打撃のチームなんだけどなぁ」と平松監督が言うように、その後も4番溝﨑要仁選手(3年)も二塁打を放つ。2回には二死二塁から9番工藤広琉内野手(3年)も右前へポトリと落として2点目。

同点とされた3回にも、先頭の2番山本琉空選手が左前打すると、送りバントが悪送球を呼んで、山本選手は一塁から一気にホームイン。さらに一死三塁から5番村本功己選手の中犠飛で4点目を奪う。ここまでで、岡崎工科は5安打を放っていた。

ただ、試合としては、3回途中からリリーフしていた名古屋の幅瑛太投手（2年）と、岡崎工科の先発・峰村崇杜投手（3年）を5回からリリーフした同じ左腕の中村優斗投手（3年）がお互いに制球よく好投して、4～6回はどちらも無安打。投手戦の様相になっていった。岡崎工科としては7回、8回には追加点機も作りかけたものの、結局は追加点を奪えなかった。それでも、中村投手が5回以降を2安打無失点に抑えて逃げ切った。

「あと一本出ていれば、もう少し楽な試合展開になっていたかもしれませんが、相手もある程度力のあることは分かっていましたから、勝てたことでよかった」と、6年ぶりとなる夏の選手権3勝に安堵していた。そして、次は春季県大会ではコールド負けで大敗した豊川との4回戦となる。「失うものはないので、思い切ってぶつかっていく」と、モチベーションを高めていた。

名古屋は、2点リードされたのを3回に最も確実性のある3番蟹江謙介選手(3年)の三塁打などで、同点に追いついた。しかし、その裏をこらえきれなかった。それでも、芝野悦郎監督がしっかりとしたチームを作り上げてきたなという印象は与えてくれた。好リリーフした幅投手は2年生だし、次のチームへの期待も高まりそうだ。