試合レポート

関東一が劇的サヨナラ勝ち!殊勲打を放った3年生右腕は涙「腐らず努力すれば結果がついてくる」

2024.07.16


涙を浮かべながら祝福を受ける関東一・大後 武尊投手(3年)

<第106回全国高校野球選手権東東京大会:芝3-4×関東一>◇16日◇3回戦◇明治神宮野球場

延長タイブレークの末、関東一を3対4で下し初戦突破。殊勲打を放った大後 武尊投手(3年)は、涙を浮かべながらチームメイトに祝福された。

1死満塁で打席に立つと2球ボールが続き、「投手としてストライクが欲しい場面だった」と、狙い通りの甘く入った直球を仕留めた。打球が中堅手の頭上を越え、仲間の元に駆け寄ると「お前しかいない」と言われ、緊張が解けた大後の目から大粒の涙があふれた。

この日は投げても9回、延長タイブレークの10回を無失点に抑える好投を見せた。この春は納得のいく登板がなく、精神的に疲弊したこともあったが、「ここで腐らず努力すれば結果がついてくる」と積極的な自主練習で人一倍汗を流した。指揮を執る米沢 貴光監督も「泣きながら投球することが続いていたので、登板させるか迷った」というが、「坂井 (遼投手・3年)に話をしたら気持ち的な部分でも『大丈夫です』と言っていたので、そこは選手たちを信じた」とマウンドへ送った。その期待に応えるように、延長タイブレークの10回も無失点に抑え、初戦突破に大きく貢献。「3年間悔いなくやってきたので、自分を信じるしかない」と気持ちを前面に出し、マウンドの上で躍動した。

辛かった日々も肥やしにした大後は、「技術的な部分では坂井、畠中(鉄心投手・3年)には及ばないけど、強い気持ちを持って踏ん張れた」と成長を実感したという。「この後の試合でも2人も負けないように、自分が抑えて勝っていきたい」と仲間の思いも背負って腕を振ることを誓っている。

この記事の執筆者: 塩澤 風太

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