聖望学園vs松山
強豪・聖望学園の好投手に松山はどう挑む!?
![聖望学園vs松山 | 高校野球ドットコム](/hb/images/report/saitama/20170922004/large01.jpg)
好投手の先発・坂本(聖望学園)
埼玉県の有力校・聖望学園が、埼玉松山と戦う初陣に臨んだ。注目は4番・投手を務める坂本。前チームから投手を務めることも多く、新チームから背番号1を背負うエースに。速球の質は非常によく、スピードも充分。埼玉松山がこの坂本をどう打ち崩せていけるかがポイントになる試合だ。
1回表、聖望学園は先頭の1番ハンソンがレフトへのクリーンヒット。2番高橋が送り、3番柳澤がライト前ヒットでハンソンが生還。理想的な形で先制パンチをお見舞いすると、未だテンポのつかめていなかった埼玉松山は、4番、5番と連続でイージーなエラー。聖望学園にこの回3点を献上してしまう。
一方注目右腕の坂本の立ち上がり。こちらは対照的に圧倒的。1番那須、2番堀川、3番島田と、いきなりの三者連続三振に仕留める。この素晴らしい立ち上がりに、攻撃陣も乗っていきたいところ。
3回にもハンソンの中三塁打を起点に追加点を挙げた聖望学園。埼玉松山は3回終了までの時点で、聖望学園・坂本に対し安打0、四死球0、三振4と完璧に抑え込まれ、テンポが速いこともあり、守備時間に対しての攻撃時間が非常に短いという状況が続いていた。
そんな埼玉松山は2巡目に入る4回表の攻撃前に、円陣を組む。そして1番の那須がチーム初となるライト前ヒットを放つと、次の2番・堀川は粘ってフォアボールをもぎ取る。そして3番島田はしっかりバント成功。まるで別のチームを見ているかのような攻撃スタイルの転化に驚かされたが、それでも坂本を崩すのは簡単ではなかった。4番石崎、5番室田に一本が出ず、無得点に終わってしまう。
6回、雨が降り始めて徐々に強くなる中、聖望学園はさらに2点を追加。埼玉松山の投手は小竹から細貝にスイッチ。なおもピンチながら後続の坂本を抑えたときには、非常に強い雨が打ち付けており、6回表終了と共に試合は一時中断となる。
まもなく雨は上がり中断は解けたが、この雨がなんらかの影響を及ぼしたか。聖望学園は再開後すぐ得点圏にランナーを置くピンチ。ここで3番島田のゴロを一塁手がファンブル。この試合初めての失点を許すと、4番石崎のライトへのクリーンヒットでもう1点を返されてしまった。
しかし後続はしっかり断ち、8回には相手のミスや3番柳澤の中越え三塁打などで4点を加え、再び大きくリードすると、8回裏をしっかりと抑えコールド勝利となった。
注目の坂本は6回に失点を許したものの、実力は並レベルではないのは明らかだ。また1番ハンソンを起点とした攻撃が今日はよく決まった。出塁率の高い1番打者から、どれだけ得点を挙げることができるか。今後の戦いにも注目していきたい。
負けた埼玉松山は決してやられっぱなしではなかった。2巡目に入ったところでチーム全体の攻めの意識を改め、チームとして崩していこうというスタイルが見えた。6回にはしっかり2得点を奪い、強豪の好投手を前にしても、ただでは終わらなかった部分は素晴らしかった。次の季節に向けた収穫ともいえるのではないだろうか。
(文・写真=編集部)
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