試合レポート

東海大相模vs前橋育英

2019.05.19

まだまだいる東海大相模の好野手。背番号16・茂谷光が攻守で冴え渡る!

東海大相模vs前橋育英 | 高校野球ドットコム
先制点を奪い雄たけびを上げる東海大相模・鵜沼魁斗

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 強打の東海大相模は初戦、木更津総合の好投手・篠木健太郎との投手戦を制して迎えた2回戦。今度の相手はチーム力の前橋育英。投球術に長けた梶塚彪雅との一戦。巧みな投球をどうやって崩すのか。注目の2回戦は初回から動く。

 東海大相模1番・鵜沼魁斗と2番・高嶋壮汰の連続ヒットでチャンスを作ると、4番・山村崇嘉がライトヘタイムリーを放ち、東海大相模が幸先よく先制。3回にも1番・鵜沼と3番・山村のヒットで追加点を奪う。

 3番・山村は状況に応じた柔らかいバッティングは、県大会から見せる対応力を関東大会でも見せつける。そして1番・鵜沼は相手投手の始動ともに仕掛けていき、バットを上下に揺らしながらタイミングを取って一気に振り抜く。

 一見すると慌ただしくも見えるが、これでリズムを掴み4安打を記録している。スイング、そして回転の速さがあってこそのフォームだろう。

 4回には2点を奪った東海大相模の先発は背番号11の冨重英二郎。縦の変化とストレートが武器。ボールは少し荒れるものの力で押し込む投球を披露。

 3回には前橋育英の2番・丸山大河の犠牲フライ、5回は7番・森脇真聡のホームランで4対2の東海大相模リードでで折り返す。


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攻守で存在を示す東海大相模の背番号16・茂谷光

 7回、東海大相模3番・遠藤成、8回は7番・茂谷光のタイムリーで7対2と試合をほぼ決定付けたかのように思われた。

 しかしマウンドの冨重はさすがに疲れが出始め、8回に前橋育英7番・森脇の三塁打などで4失点。たちまち1点差に詰め寄られるも、前橋育英の最終回の攻撃を凌いでベスト8入りを果たした。

 昨日の木更津総合戦同様、ホームランは飛び出さなかったもののヒット14本と、好投手・梶塚を攻略することに成功した東海大相模。1番・鵜沼や3番・遠藤、さらには4番・山村と主役に当たりが出てきたが、この試合で7番に座った茂谷の存在が脅威になりつつある。

 川崎中央リトルシニア出身の2年生で、遊撃守備は、遠藤成に負けない動きを見せている。今日の試合も7回に5番・梶塚の三遊間の打球に素早く反応すると、ワンバンスローで一塁へ送球し、見事アウトにした。ただこのプレーにはしっかりとした準備がある。茂谷はピッチャーが投げる直前に左足を高く上げて少し跳ぶような動きを見せる。

 これは星稜も実践しているスプリットステップだ。このステップを踏むことで、身体の硬直がリセットされスムーズに一歩目のスタートを切ることができる。その結果が打球への一歩目が早まり、守備範囲が広がるのだ。

 打率もこの2試合で6打数3安打。上位にタレントが揃っているだけに、下位の打順でここまで結果を出すと相手投手は落ち着く暇がない。攻守で茂谷が東海大相模に勢いづけるのを楽しみにしたい。

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前橋育英先発・梶塚彪雅

 一方、前橋育英のエース・梶塚は7回途中7失点でマウンドを降りることになってしまった。真っすぐの速さはもちろん、切れ味鋭い縦のスライダーを果敢にインコースに投げ込み、外角を有効に使えていた。

 またセットポジションには短いときは1秒を切る高速クイック、長いときは5秒止まってから投げるなど間合いの使い方。首の振り方1つにしてもかなりの工夫をしており、引き出しは多い。

 ただ勝負所でボールが高い。山村に許した先制点も外角高め。終盤の遠藤の二塁打も真ん中付近。あと少しのところで詰めが甘くなってしまうのがもったいない。力は十分持っている投手なだけに、夏までにどこまで磨いていけるのかがポイントになりそうだ。

(文・=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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