夏の暑さに負けない工夫
第2回 夏の暑さに負けない工夫2010年08月15日
こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。
毎日暑い日が続いていますが、皆さん暑さに負けずに練習がんばっていますか?
今回は暑い夏を乗り切る工夫を皆さんにお伝えしたいと思います。
みなさんは運動中に水をたくさん飲んで「お腹が痛くなった」経験はありませんか?
これは一度に多量の水をがぶ飲みすることで起こります。
練習の最初の頃は「水を飲みたい」という感覚を感じにくく、「まだ練習が始まったばかりで大丈夫」といって知らず知らずのうちに我慢してしまうことがあります。
そしていつか我慢しきれなくなって、一度に多量の水をがぶ飲みしてしまうといったことが起こります。
一度に多量の水を飲むとお腹が重くなり、そのままで運動するとお腹が痛くなることもあります。
またお腹が重くて動きにくい、体がだるい感じを訴える選手もいます。
このようなことを予防するためにはあらかじめ計画的に水分補給・塩分補給をする必要があります。
長時間のスポーツ活動や暑い場所での活動する場合は、30分ごとを目安に水分補給タイムなどを設けるようにしましょう。飲む量としては一口程度~200ml程度を数回にわたってとるようにします。また飲み物の温度は極端に冷えているものは胃腸に負担をかけてしまうので、少しぬるいかなと感じる8~13℃程度のものがよいと言われています。
人間の体は運動によって体温が上昇しますが、汗をかくことによって急激な体温上昇を防ぐ調節機能が備わっています。汗には水分とともに塩分が含まれますので、失われた水分と塩分を補給することも心がけましょう。市販のスポーツドリンクには塩分が含まれていますが、糖分も多く含まれているため、少し薄めたものにすると口の中に残る甘い感じも少なく効果的です。
私のチームではベンチの横に塩や梅干を準備していますよ。飲み物ではお茶を準備するチームも多いと思いますが、お茶には利尿作用があるため、水分や塩分が体から排出されやすい傾向にあります。こまめに水分補給できる環境であればさほど気にしなくてもよいと思いますが、なかなかタイミングよく水分補給ができない場合は水と塩分、もしくはスポーツドリンクなどを準備することをオススメします。
人ののどの渇きの感覚は非常に不正確だといわれています。「のどが渇いた」と感じる頃には、体の中ではすでに脱水症状が起こり、最大で体重の2%ほどの水分が失われた状態という研究データもあります。ですから水分補給・塩分補給の基本は「のどが渇いた」と感じる前に飲むこと。チームの中で水分補給・塩分補給への意識を高め、こまめに飲みやすい環境と飲み物や塩分を準備して、この夏を乗り切ってくださいね。
(文=西村 典子)
次回、第3回公開は8月30日を予定しております。
[:addclips]