News

井上広大がリーグトップの3本塁打!常総のバレンティンこと菊田拡和が存在感放つ

2020.07.21

 プロ野球開幕から約1ヵ月が経過した。本連載のメインテーマである「高卒新人」たちも多くがファームで輝きを放ち、石川昂弥岡林勇希らは一軍デビューも飾った。第5回では、8人が規定打席に到達している野手を見ていく。

井上広大がOPS.8超え間近

井上広大がリーグトップの3本塁打!常総のバレンティンこと菊田拡和が存在感放つ | 高校野球ドットコム
左から、井上広大、菊田拡和

 7月19日終了時点で、ファームの規定打席に到達している高卒野手は8人。さらに、チーム試合数の関係で規定打席にこそ到達していないが、同等の打席数をクリアしている選手も2人いる。今回は彼らのOPSをメインに見ていこう。

井上広大がリーグトップの3本塁打!常総のバレンティンこと菊田拡和が存在感放つ | 高校野球ドットコム

 開幕からファームの四番に座り続けている、阪神の井上広大履正社)が好調だ。2週間前と比べて打率こそ変わらないが、この間に2本塁打を放つなど長打率が上がり、対象選手の中ではOPS.788とトップに躍り出た。59打席で21三振はやや多いが、併殺打0は右打ちの強打者としては注目に値する数字だ。

 中日の岡林勇希菰野)も、OPS.725と、2週間前の.666から大きく上げている。12安打全てが単打と、長打力はまだ発揮できていないが、そのバットコントロールでリーグ4位の打率.316をマークしている。7月19日には同期の石川昂弥に続いて一軍昇格、初出場を果たした。

 東京ヤクルトの武岡龍世八戸学院光星)も、OPS.708と前回の.501から大きく上げている。初本塁打を放つなど長打も増えており、長打率、出塁率とも大幅に向上した。

 この2週間で出場数を伸ばした巨人の菊田拡和常総学院)も、規定打席に到達した。三軍では8試合で打率.174と苦しんだが、イースタン・リーグでは10試合で打率.257、OPS.611と成績を上げた。「常総のバレンティン」の異名をとったその長打力を見せ始めている。

 東京ヤクルト・長岡秀樹八千代松陰)、東北楽天・黒川史陽智辯和歌山)、オリックス・紅林弘太郎駿河総合)、広島東洋・韮沢雄也花咲徳栄)らはOPS.600未満となっている。現状ではややプロの球に苦戦していると言えるが、経験値という点では順調に積んでいるところだ。チーム試合数の関係で規定打席にこそ達していないが、阪神・遠藤成東海大相模)、広島東洋・木下元秀敦賀気比)も同等の打席に立っている。

 また、横浜DeNA・東妻純平智辯和歌山)、巨人・山瀬慎之助星稜)、阪神・藤田健斗中京学院大中京)ら捕手陣も、徐々に出場を増やしている。経験がモノをいうポジションなだけに、まずはファームで正捕手の座を掴みにいきたいところだ。

 最後になったが、今年の高卒新人では中日の石川昂弥東邦)が一軍デビュー一番乗りを果たした。5試合で17打数1安打と苦しんでいるが、プロ初打席で低めの変化球をうまくさばき、レフト線へのツーベースとした打撃はさすがの技術だった。岡林の初安打は次戦以降に持ち越しとなったが、竜の将来を背負って立つ2人が揃って一軍の舞台に立てたことは、大きな経験値となるだろう。

 今回は井上、岡林、武岡と成績を上げた選手を紹介することができた。数字上ではあるが、若手選手の成長というのはファンとしてはワクワクするものである。次回以降も、ルーキーたちの成長をお届けできることを願っている。

データ協力: やきうのおじさん(@yakuunoojisan
Twitterで野球の分析を行う。本記事のデータはすべて日本野球機構(NPB)のオープンデータを使用。

(記事=林 龍也

関連記事
山本由伸(都城出身)が世代のトップランナーに、高卒4年目の現在地
巨人から久々に誕生した高卒の本格派右腕・戸郷翔征(聖心ウルスラ学園出身)
巨人・戸郷が注目株!宮崎県出身の中位・下位指名からの活躍選手を振り返る

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.26

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.25

昨夏甲子園16強・北海の卒業生進路紹介!元巨人外野手の息子らが中央大、147キロ右腕は社会人へ

2024.06.26

低反発バットなど関係ない!“飛距離モンスター”マーティン・キャメロン(東海大札幌) に大爆発の予感!

2024.06.26

【岩手】27日に抽選会!春6連覇の花巻東と、春準V・盛岡大附の「2強」が軸<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.26

【北北海道】旭川支部予選で、旭川実の151キロ右腕・田中が6回完全、11連続を含む15奪三振の快投【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.26

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.26

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!