試合レポート

龍谷大平安vs京都翔英

2013.09.29

龍谷大平安vs京都翔英 | 高校野球ドットコム

徳本健太朗(龍谷大平安)

京都注目の一戦!勝負を分けたビッグプレー!

今春の選抜大会に出場したチーム同士の対戦。この夏も準々決勝で激突し、京都翔英が制した。「夏はミスで負けた。何とか倍返ししたかった」と龍谷大平安・原田英彦監督が話すように、この日の試合は勝ちへの執念を見せて大勝。見事にリベンジを果たした。

3時間4分の重苦しい試合。結果的には、ミスがほとんどなかった龍谷大平安と、15与四死球や3失策などディフェンスが崩れた京都翔英という部分で勝敗が分かれた形だ。

投手も京都翔英が5人、龍谷大平安が3人登板するなど、まだまだ柱となる投手が確立されていない。だからこそ、失点に関しては両チームとも不安な要素があった。
その中で勝負を左右する大きなプレーが3回にあった。

2回に3点を先制した龍谷大平安だが、相手のミスに乗じた得点であり、まだ波には乗れていなかった。
3回裏、ヒットで走者を背負った先発の犬塚貴哉(2年)が、二死から四球を2つ与え満塁としてしまう。ここで原田監督は、犬塚に代えて背番号『18』の中田竜次(2年)をマウンドに送った。

代わりっぱな。京都翔英の4番玉田琢磨(1年)がセンター前へと弾き返す。二者が生還し1点差に迫った京都翔英。しかし一塁走者の中村陽和(2年)が三塁へ向かうのを、センターの徳本健太朗(2年)が見逃さなかった。すぐに本塁返球をあきらめ、三塁へ送球。中村がタッチアウトになり、1点差に迫った京都翔英がその後の攻撃をすることなく、このイニングが終わった。

「長打警戒の深めの守備位置だったので、ホームへ投げるのは無理だと思って切り替えた。ランナーが三塁へ向かうのはしっかりと見えていました」としてやったりの徳本。
京都翔英の太田弘昭監督も、「あれはランナーの暴走ではないです。センターが良く見ていた」と徳本の機転を讃えた。

この場面、代わりっぱなで1点差になり、さらに二死一、三塁と場面が続いていたならば、試合展開がまったくわからなくなっていた。それだけに『先を読んでいた』という徳本のビックプレーだったと言えるだろう。

そして勝負に繋がる“次の1点”も徳本のバットから挙げられている。
5回、二死一塁から打席が回ってきた9番の徳本。1球目からセーフティバントの構えを見せるなど、京都翔英の守りの注意を十分に引きつけた。そして7球目、思い切ってスイングした打球がセンターの頭上へ。一塁走者が一気に本塁を駆け抜けた。

龍谷大平安の得点した4イニングの中で唯一四死球が絡まなかった5回の1点。それを守備でビッグプレーをした男のバットで挙げ、勝負を制した。

 

(文=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.01

21世紀枠でセンバツ出場経験のある豊橋工科が今年の公式戦初勝利!海陽学園は1年生右腕の力投実らず【24年夏・愛知大会】

2024.07.01

【夏の甲子園・関東地区好カード一覧】帝京と堀越、健大高崎と桐生第一が同ブロックに!東東京・群馬で大注目の序盤戦!

2024.07.01

とわの森三愛、立命館慶祥などが代表、出場16チームが出揃う【南北海道大会出場校一覧】

2024.07.01

首位・広島を牽引する「2016年ドラフト入団4人衆」! 8年の時を経て……外れ外れ1位、下位指名選手が大きく飛躍!

2024.07.01

プロ6球団が調査中 福岡のスピードスター・萩原望安(戸畑)が本日初戦! 甲子園へ向けて疾走する!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!