試合レポート

つくば秀英vs岩瀬・筑波・つくば工科

2014.09.16

シード・つくば秀英が岩筑つ連合を5回コールドで下し県大会出場決定!

つくば秀英vs岩瀬・筑波・つくば工科 | 高校野球ドットコム

つくば秀英・戸塚岳

 県西地区代表決定戦第2試合は、今夏8強入りし、その主力メンバーが多数残るつくば秀英と、岩瀬・筑波・つくば工科の3校で結成した連合チームの対戦だ。
岩瀬筑波は、今夏も2校で連合チームを結成して臨んだが、1回戦・佐和に対し0対12、5回コールドで敗れた。

 つくば工科は、昨秋今春と地区予選を勝ち抜き県大会に出場。特に今春は県大会で1勝するほどのチームだったにもかかわらず、3年生の引退後、残った部員はわずか4名。単独での出場は不可能となった。
この3校で結成した連合チームだが、前日に行われた1回戦では、つくば工科鈴木悠馬(1年、永山中)、筑波石島翔哉(1年、筑波東中)、岩瀬仲田真典(2年、岩瀬西中)と3校それぞれのエースの継投で、結城一を10対3で下した。

 つくば秀英の先発は、背番号1の左腕・戸塚岳(2年、土浦霞ヶ浦ボーイズ)だ。今夏は背番号11でベンチ入りし、11・2/3回に登板した実績を持つ。
その戸塚は1回表、連合チーム打線を3者連続空振り三振に斬って取る。

 1回裏、つくば秀英は先頭の川崎駿(2年、千代川中)が四球で出塁、2番・逆井はバントヒット、3番・倉持陸(2年、二川中)のセンター犠牲フライ、盗塁で一死二、三塁とする。ここで4番・長沼のサードゴロの間に三塁ランナーが生還し1点。さらに、エラーと7番・松本の適時ライト前ヒットなどで2点を追加する。
岩瀬・筑波・つくば工科連合0対3つくば秀英


つくば秀英vs岩瀬・筑波・つくば工科 | 高校野球ドットコム

岩瀬・筑波・つくば工科連合・仲田真典

 3回裏、つくば秀英は3番・倉持がレフト前ヒットで出塁、一死後、5番・熊倉駿(2年、土浦霞ヶ浦ボーイズ)の適時左中間三塁打で1点。6番・須藤の適時センター前ヒットで1点。さらにフィルダースチョイスやファーストへの悪送球などでこの回7点を追加する。
岩瀬・筑波・つくば工科連合0対10つくば秀英

 4回表、岩瀬・筑波・つくば工科連合チームは初めて得点圏にランナーを進める。
先頭の2番・鴻田直樹(2年、筑波・筑波東中)がレフト前ヒットで出塁すると、3番・土田悠太(2年、つくば工科・豊里中)もセンター前ヒットで無死一、二塁とする。さらに一死後、5番・石島が四球でつなぎ一死満塁のチャンスを迎える。しかし、続く6番・池田洸(1年、永山中)は6-4-3のゲッツーに倒れ、チャンスをものにできない。

 4回裏、つくば秀英は先頭の5番・熊倉がレフト前ヒットで出塁すると、代走に高木が送られる。一死後、7番・松本が送りバントを成功させ二死二塁とすると、8番・戸塚に代えて、今夏下級生ながら4番を務めていた金井洸樹(2年、結城南中)が代打に送られる。カウント3ボール1ストライクから、金井が強振した打球はレフトへの特大のホームランとなり、つくば秀英がこの回2点を追加する。
岩瀬・筑波・つくば工科連合0対12つくば秀英

 ここでつくば秀英は、7番ファースト・松本に代えて、2番手に飯塚尚人(2年、鬼怒中)をマウンドへ送る。代打の金井がファーストへ、代走の高木がそのままセカンドの守備に就く。
後がない岩瀬・筑波・つくば工科連合チームだが、一死から8番・素村雅貴(1年、竹園東中)が四球で出塁するも、続く打者が斬って取られ、5回コールドが成立。
シードのつくば秀英が12対0、5回コールドで連合チームを下し、県大会出場を決めた。


つくば秀英vs岩瀬・筑波・つくば工科 | 高校野球ドットコム

ホームランの金井を出迎えるつくば秀英ベンチ

 この試合で印象に残ったのが、つくば秀英打線の打球の鋭さだ。連合チーム先発の仲田の球速は目測で120キロ強だが、つくば秀英の各打者は難なくアジャストし、放つ打球はいずれも角度が低く、バックスピンがかかってぐんぐん伸びる。また、各打者のタイミングの取り方と、トップの位置からミートまでのバットの入れ方が似ているように感じた。もしかしたら、つくば秀英独自のバッティングメソッドがあるのかもしれない。そう思わざるを得ないほど、素晴らしい打球ばかりであった。機会があれば話を聞いてみたいものだ。

 また、今夏背番号3で4番を打っていた主砲の金井洸樹は、腰痛でスタメン落ちしていたようだ。腰痛の具合が心配だが、今回の一発を契機とし、県大会では金井の打棒に期待したい。

 一方、連合チームとして臨んだ3校だったが、先発した仲田の球威や、センター・鴻田の右中間へのダイビングキャッチなど、随所に光るところが見られた。しかし、課題を挙げるとすれば、やはり守備だろう。失策数は3だが、記録に残らないもの、内野安打になったもの、外野からの中継など、修正したい点はいくつかあった。

 連合チームで1勝を挙げ、公式戦で勝つ喜びを味わった彼らだが、新1年生の入部状況によって、春はこのチームでは出場しない可能性がある。果たして冬場はどのような練習するのだろうか。今後は苦難を乗り越えながらどのように野球と向き合っていくのか。陰ながら見守っていきたい。

(文=伊達 康

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.26

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.25

昨夏甲子園16強・北海の卒業生進路紹介!元巨人外野手の息子らが中央大、147キロ右腕は社会人へ

2024.06.26

低反発バットなど関係ない!“飛距離モンスター”マーティン・キャメロン(東海大札幌) に大爆発の予感!

2024.06.25

【南北海道】函館支部では第3シードの函館西と函館大有斗が初戦に挑む【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【南北海道】室蘭支部では、第2シード苫小牧工が代表決定戦進出を狙う【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.26

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】