試合レポート

敦賀気比vs三重

2014.10.15

エースも、指揮官も驚き!伏兵の一打で敦賀気比が逆転に成功!

【3安打と活躍を見せた佐田(三重)】

 お互い甲子園では強力打線を披露した敦賀気比vs三重三重の対決。後半になってから常に試合が動く展開となった。

 まず先制したのは三重三重。二死から1番長野勇斗(3年)は四球で出塁するとパスボールで二塁へ。続く2番佐田 泰輝(3年)の中前安打で、1点を先制する。

 4回表、敦賀気比は一死から5番峯 健太郎(3年)の右前安打、6番御簗 翔(3年)の中前安打で一死一、三塁のチャンスを作り、バッテリーミスの間に同点に追いつく。

 だが5回裏、三重三重は9番今井 重太朗(3年)が中前安打、1番長野の左中間を破る安打で、無死二、三塁のチャンスを作る。そしてここまで3安打の佐田が右中間を破る三塁打を放ち、2点を勝ち越すと、3番宇都宮 東真(3年)の左前適時打で4対1とする。
さらに6回裏にも、8番中林 健吾(3年)の適時二塁打で、5対1と点差をさらに広げ、これで勝負ありかと思われた。

第69回国民体育大会~長崎がんばらんば国体2014~

【勝ち越しを放った嘉門(敦賀気比)】

 敦賀気比は7回表に反撃開始。一死二、三塁野チャンスを作ると、1番篠原 涼(2年)の内野ゴロで1点を返すと、2番山本 皓大(2年)の中前適時打で5対3と追い上げに成功。そして7回裏からエース平沼 翔太(2年)が登板する。

 平沼は無失点で切り抜けると、8回表、一死から5番峯が右中間を破る二塁打、6番御簗が中越え三塁打を放ち、さらに1点を返し、5対4。7番下村 崇将(3年)の内野ゴロで、三塁走者が本塁へスタートを切ったがこれはアウトとなり二死一塁。8番中本 貴大(3年)が四球で歩き、打席に立ったのは途中出場の嘉門 祐介(2年)。

 新チームから正捕手として出場している嘉門は打撃不振に悩んでいた。そこで、先輩捕手である岡田 耕太(3年)にタイミングの取り方について指摘をしてもらったようだ。
「自分はタイミングを早く取る癖があって、身体が泳いで凡退することがありました。なので、少しでも引きつけて捕手寄りのポイントでとらえようと思いました」
球種はチェンジアップ。以前のタイミングの取り方ならば突っ込んで、凡打だったかもしれない。だが引きつけた分、絶好球になった。振り抜いた打球は左越え適時二塁打に。一気に二者生還して、逆転に成功。この一打にナインは驚きを隠せなかった。

「普段は8番。あんな当たり、初めて見ました」(東監督)
「驚きです!この一打で頼もしい恋女房になってほしいです!」(平沼)
伏兵の一打とはこのことをいうのだろう。エースの平沼がこの1点を何とか守り抜き、準々決勝進出を決めた。平沼は
「まだボールのバラつきが多く、まだ満足いく出来ではないですしが、3年生のためにさらに調子を上げていきたい」
とコメント。この夏、躍進を見せた3年生と長く野球をするためにも2年生たちが活躍を見せ、期待に応えている。

 三重三重に打ち勝った敦賀気比。準々決勝で、投打の柱・岸を拝する明徳義塾と対戦する。

(文=河嶋宗一

第69回国民体育大会~長崎がんばらんば国体2014~

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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