【第88回選抜大会】21世紀枠 各地区候補 紹介!長野(長野)
北信越地区の候補校は長野高校。県内を代表する伝統校だが、どんな学校なのだろうか。また選考状況を振り返っていきたい。
学校紹介
長野高等学校野球班
長野高校は、明治17年に設置された長野県中学校を前身に、今から116年前の明治32年に長野県立長野中学校として開校した。以来、「至誠一貫、質実剛健、和衷協同」の精神を涵養(かんよう)し、国家の有為なる人材の育成を教育方針に掲げ、本県はもとより、全国そして世界に活躍する二万有余に及ぶ卒業生を輩出してきた。昨年度より将来国際的に活躍できるグローバルリーダーを育成することを目的とした、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定され、生徒自ら社会課題を決め、それを研究・発信している。
平成26年度の大学合格状況(現役生)は、国公立大学130名、私立大学204名、合格率は70%ほどであるが、特筆すべきは今春の野球班員の進路結果である。1年間浪人はしたが、4人の野球班員が東京大学を受験し、4人とも合格することができた。うち1人は東大野球部に在籍し、1年生ながら投手として秋の東京六大学リーグ戦に登板し、現役の野球班員の大きな励みとなっている。
野球班は限られた時間内で基本を大切にし、上級生下級生区別無く全員が常に全力プレーをすることを心がけている。試合だけでなく練習時にも、攻守交代等では全力疾走を行っている。原則的に考査の一週間前はクラブ活動が禁止となるため、練習できる日には、活動計画を綿密に練り、昼休みの選手によるミーティングでは前日の練習の反省と当日の注意点などを皆で確認しあい、放課後はすぐに練習に入る事ができるよう工夫している。自ら改善しようとする意欲とその行動力が、自らの将来を切り開く大きな力となっている。
今年は第97回選手権長野大会で4回戦勝ち抜き、準々決勝で昨秋の北信越大会に出場した小諸商に3対6で惜敗した。秋の大会では夏の2年生レギュラー3人を中心に、県大会ベスト4に残った。三位決定戦では連投となったエースが終盤に疲れ、点差が開くゲームとなったが、古豪の松商学園と互角の試合をした。
学業とクラブ活動の両立を目指す県下No.1の進学校として、県内公立高校の野球部員や指導者に大きな希望を与えている。地域においては、常に憧れの存在であり、地元の方からの声援も大きく、OBばかりでなく地元の方も球場に足を運ぶ長野高校ファンは多い。
以上の諸点から「21世紀枠」候補校にふさわしい学校であると考えられての推薦となった。
地区選考状況
各県理事長より推薦校の推薦理由および学校の特色等についてのプレゼンテーション後、記載事項・説明等に対する質疑が行われた。選考に先立ち、21世紀枠の趣旨・推薦基準・推薦項目・推薦内規等の確認を行い、選考に対する意識の統一を図った。各推薦校の推薦項目と推薦理由が推薦基準にどの程度合致しているかを、補足説明を加味しながら比較検討を行い、審議を継続する中で、以下の理由により長野県推薦校「長野高等学校」を北信越地区の推薦校とすることが全会一致で決定した。
1.野球部員の進学状況より、学業と野球部活動が両立されている点
2.監督・選手が一体となって、少ない練習時間を効率的に活用する工夫をしている点
3.強豪との惜敗で、上位大会への進出があと一歩である点
4.地域からの長野高校への期待が大きい点