大体大浪商vs英真学園
昨夏の悔しさを胸に。エース・西田の成長
4番・溝端健太(大体大浪商)
2回戦は西田光汰(3年)、3回戦は熊谷公希(2年)が登った大体大浪商の先発マウンド、4回戦のこの日は宮本大勢(2年)が任された。まっすぐで押せる左腕は2つの三振を奪い英真学園の初回の攻撃を無失点に抑える。するとその裏、打線は二死から満塁のチャンスを作ると、木村税(2年)がセンター前に先制の2点タイムリー。2年生コンビの活躍で優位に立つと、2回以降も宮本は好投を続け、打線は2回に岩川優作(3年)の2点タイムリー、3回には小杉宗司(3年)の犠牲フライでリードを広げる。序盤で小刻みに5点を奪うと5回には一死満塁から小杉のレフト前タイムリーで2点、さらに一死二、三塁から宮本が右中間に2点タイムリースリーベースを放ち早くも9得点。セーフティリードには十分過ぎる点差をつけた。
7点リードの6回からはエース・西田が登板。冬の間に10kgの増量に成功した右腕はスライダーを決め球に4つの三振を奪い2回を無失点に抑える。3月の練習試合では威力を増したストレートは自己最速を更新する147km/hを記録し、2回戦の桜塚戦では14奪三振で完封勝利。一冬の成長を印象付けた。マウンド上では良い意味で打者を見下ろし、自信を持って投げ込んでいる。激戦区大阪を代表する右の本格派だが昨夏は決勝で敗れるという悔しい思いをしているだけにラストチャンスとなる今夏、甲子園に懸ける思いも強い。「どこよりも走り込んだと思うんで、今年は甲子園行きます」
チームのこの春の最低限の目標は準々決勝で履正社と対戦すること。「投げて来るかはわからないけど、手も足も出なくても寺島君の球をバッターボックスで見ることが出来たら、それだけでも春の大会に意味がある」とは四田勝康監督。実は西田は中学時代に寺島成輝(3年)と投げ合ったことがある。ただしその当時西田はそれほど名の知れた存在ではなくその試合でも最後の2イニングを投げただけで「多分、向こうは覚えていないと思いますが」と話す。中学時代から有名だった寺島は高校入学後も大型左腕としてすぐさま注目を集め今春のドラフト上位候補とされているが、高校で着実に力をつけた西田も今や履正社を脅かす存在となるまでに成長した。昨夏あと1歩届かなかった甲子園へ向けて、まずはこの春、打倒・履正社と大阪の頂点を狙う。
(取材・写真=小中 翔太)
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