盛岡大附vs酒田南
代打策的中!
6回に代打で同点打を放った須藤(盛岡大附属)
9回裏、1点差に迫られた盛岡大附。6回からリリーフしていたエース・平松竜也(2年)は1球、1球雄叫びをあげていた。二死三塁と一打同点のピンチでも心はブレない。酒田南の2番・与木仁哉(2年)を空振り三振にとり、さらに強く吠えた。
東北大会前に行われた洋野町長杯(岩手県久慈地秋季教育リーグ)の久慈戦で144キロを計測した右腕は、この試合6回からの4イニングで7奪三振と好リリーフ。要所で力強い直球を披露し、将来性を感じさせるピッチングを見せた。
今夏の甲子園はベンチ外ながらも、「バッティングピッチャーとして帯同させてもらった」と貴重な経験を積んだ平松。それまではコントロールに不安があったが、強力打線の旧チームの3年生を相手に打撃投手をする中で投球術を磨いた。秋の新チームからベンチ入りし、東北大会でエースナンバーをゲット。試合毎に逞しく成長するのをチームメートも感じているようだ。
さてこのゲーム、平松の好リリーフに繋げたのが6回表の攻撃にあった。前半から何度もチャンスを作りながら1点しか取れなかった打線。関口清治監督は、「チャンスは作れていたので」と後半に勝負をかけることをもくろんでいた。その一つが、代打・須藤颯(2年)の投入。それが6回表に訪れた。二死二塁のチャンスで9番ピッチャー・三浦瑞樹(2年)という場面で須藤を送る。この時点でその裏の守りから平松がリリーフすることが決まった。「初戦と準々決勝の2試合で代打で打っている。信じていた」と見守った平松。ここぞの場面で代打起用されてきた須藤も準備はできていた。2ボール2ストライクからの5球目、「インコースに入ってきた」と感じた須藤のバットが反応、打球はレフト線へと飛んだ。「ファウルになるかも」と手応えは感じていなかった須藤だったが、フェアゾーンに落ちるのを確認すると、到達した二塁ベース上で大きくガッツポーズ。リリーフ準備をしていた平松も、「同点になって気持ちが楽になった」と喜んだ。
これで3試合連続代打でヒットを放った須藤。決勝の仙台育英戦で、関口監督がどの場面で起用するか楽しみである。
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