狭山ヶ丘vs川越工
春成長中の村田龍星が5安打完封!狭山ヶ丘が4年ぶりの県大会出場!
完封の村田龍星(狭山ヶ丘)
昨秋県大会出場で、過去には2015年秋ベスト4入りしている狭山ヶ丘と昨夏ベスト8で、伝統校の川越工の一戦は1点を争う好勝負となった。
試合は0対0のまま迎えた6回表、狭山ヶ丘が一死一、三塁から7番松澤のスクイズが失策を誘い1点先制。さらに二死満塁から1番飯島の押し出し四球で2対0と貴重な追加点を入れた。
狭山ヶ丘は5番を打ち、外野手も兼任する先発の村田 龍星(3年)も好投。狭山ヶ丘山田 将之監督からも「身体能力も高く、140キロ近いストレートを投げられて気持ちも強い」と評価される右腕は、この試合で安定感抜群の内容を見せる。
右オーバーから繰り出す常時120キロ後半~133キロのストレートは勢いがあり、スライダー、チェンジアップ、カーブも器用に投げ分け、打たせて取る投球でゲームメイク。何度か得点圏に走者を背負うことがあっても、落ち着いた投球で点を与えなかった。
リズムもよく5回を終えて69球。この時点で「最後までいきます!」と山田監督に告げた村田は、終盤になっても、ストレートの球速は130キロ中盤を計測。終わってみれば村田は113球、5安打、無四球の完封勝利で、狭山ヶ丘の県大会出場に大きく貢献。「完封は公式戦、練習試合も併せて初めてで、さらに無四球で達成することができて本当にうれしいです」と笑顔を見せた村田に対し、山田監督も「今日は村田につきますね。よく投げてくれました」とねぎらった。
ただ、この完封は決して偶然の産物ではない。この4月、狭山ヶ丘はセンバツ帰りすぐの東海大相模と練習試合を行い、村田は7失点完投。東海大相模の小松 勇輝、山田 拓也、森下 翔太など主力打者がそろう強力打線に「二けた失点することなく投げられて本当に自信になりましたし、その後の試合ではだいぶ落ち着いて投げられるようになりました」ことが川越工相手の完封劇につながったと言えるだろう。
「県大会でも勝てるピッチングをしたい」と意気込む村田。4年ぶりの春の県大会出場を決めた狭山ヶ丘にとって、村田 龍星の存在感は試合ごとに大きくなっていくに違いない。
(取材・写真=河嶋宗一)