試合レポート

東京学館浦安vs市立船橋

2018.07.24

東京学館浦安が逆転サヨナラ!我慢勝負を制し、7年ぶりの決勝へ

 西千葉大会の準決勝2試合目は2年ぶりの決勝進出を目指す市立船橋と7年ぶりの決勝進出を目指す東京学館浦安の試合である。

 先制したのは東京学館浦安。2回裏、一死二、三塁のチャンスからスクイズで1点を先制する。7番北村 晟人(3年)のスクイズで1点を先制する。

市立船橋東京学館浦安のエース・池田亮哉(3年)をとらえきれずにいた市立船橋だが、先頭打者の7番長尾 滉也(3年)の右前安打、8番平内達也(3年)の右中間を破る適時二塁打で1点を返し、その後、一死三塁まで走者を進め、1番中重 勇紀の左犠飛で勝ち越しに成功する。

 しかし5回裏、東京学館浦安は二死二塁から1番増田龍一(3年)の中前適時打で同点に追いつく。
 6回表、市立船橋東京学館浦安の2番手・常世田力哉(2年)からチャンスを作り、二死一、三塁のチャンスから7番長尾の中前適時打で勝ち越しに成功した。

 ここから両チームの投手が踏ん張る。常世田はコンパクトなテークバックからスムーズに腕を振っていく右投手で、常時120キロ後半~130キロ中盤の速球、キレのあるスライダーを投げ分け打たせて取る投手。市立船橋湯浅 永悟(2年)は捕手登録ながら、恵まれた体格が特徴な大型右腕で、ストレートは常時130キロ中盤(最速138キロ)と、来年には140キロ越えも期待できる投手であった。

 市立船橋は8回裏からエースの須藤暖人(3年)が登板。須藤は130キロ中盤の速球、スライダー、カーブのコンビネーションを武器に8回裏は三者凡退に抑え、3対2と1点差のまま9回裏。

 一死一塁から三ゴロ。これを悪送球。外野へ転々とする間に一塁走者が生還。さらに打者走者も三塁まで到達し、サヨナラのチャンスを作る。ここで市立船橋は満塁策を選択。一死満塁となって、1番増田龍が中前適時打を放ち、逆転サヨナラで東京学館浦安が7年ぶりの決勝進出を決めた。

 お互いが必死に守り抜き、最後まで手に汗握るロースコアの熱戦だった。東京学館浦安はミスを逃さず、チャンスをものにした攻撃は見事であり、敗れた市立船橋も強豪校らしく、引き締まった試合運びを見せてくれた。ただ、表攻めのチームが突き放しできないと、裏攻めにチャンスが出てくるのは野球の流れである。

 中央学院東京学館浦安。ともにサヨナラ勝ちで決勝進出を決めたが、どちらがその勢いを生かすことができるのか?夏の千葉大会・ラストゲームを締めくくる好ゲームになることを期待したい。

(文=河嶋宗一)

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.04

「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】

2024.07.04

「速さが怖かった」 センバツ4強から学んだ走塁で市立柏が千葉の上位を狙う

2024.07.04

5日に北北海道大会の抽選会!クラーク記念国際と別海が軸、接戦を勝ち抜いたチームにも勢い

2024.07.03

2度目の3連覇を目指す九州国際大付をはじめ、シードの久留米商、真颯館、沖学園も初戦に挑む、4日の福岡大会【2024夏の甲子園】

2024.07.04

5日に新潟大会が開幕!帝京長岡と日本文理の対戦相手が決まる【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.28

スコアラーが8ヵ月後エースに急成長! オリドラ2ルーキーを輩出した聖カタリナ学園(愛媛)に今年も190cm大型投手が現れる!

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!