試合レポート

創価vs日本学園

2019.10.27

石坂大河が投打で躍動 創価が5回コールドでベスト8

創価vs日本学園 | 高校野球ドットコム
先制のスリーランホームランを放った石坂大河

 「あのホームランがすべてでしたね」

 日本学園の高橋裕輔監督が試合後に語った言葉が、この試合を象徴していた。27日に駒沢野球場で行われた秋季東京都大会3回戦の創価と日本学園は、初回の本塁打で流れを掴んだ創価が5回コールドで勝利した。

 初回に二死一、二塁とランナーを二人置いた場面で打席には5番の石坂 大河が入る。「肩口からのカーブを狙っていた」と話すように、フルカウントらの変化球を振り抜くとライトスタンドを越える先制のスリーランホームランとなった。

 これで流れを掴んだ創価は、その後も7番・髙橋藍のタイムリーで追加点を挙げると、2回にも2番・庄司一馬が右中間タイムリーツーベースを放って5点目。4回にも一挙4点を挙げる猛攻を見せて、その差を一気に突き放した。

 また先制のホームランを放った石坂は先発投手としても活躍した。
 背番号は9の石坂は北海道の豊平東リトルシニア時代から活躍を見せていた投手だ。身長170センチ、体重70キロと決して体が大きいわけではないが、真上の腕の位置から角度のある直球を投げ込み、ボールのキレも申し分ない。
 5回を投げて被安打3、7奪三振の好投を見せて、日本学園に付け入る隙を与えなかった。

 創価には本格派右腕のエース・森畑侑大がいるが、2番手にもこのような実践派の好投手がいることは非常に心強いに違いない。投手力は都内でも屈指だろう。
 結局試合は10対0の5回コールド創価が勝利し、ベスト8進出を決めた。

 試合後、創価の片桐哲郎監督は「石坂は良く投げましたし、良い形で初回に流れもしっかり作れたと思います」と話し、投打で活躍を見せた石坂を手放しで誉めた。また次の準々決勝について聞かれると「秋は上を考えるよりも一戦一線勝つだけです」と話し、あくまで足下をしっかり見つめた戦いをする構えを見せた。

 一方、敗れた日本学園は、実はエースの五十嵐蓮が肺炎の数日前まで練習を休んでいる状況だった。病み上がりのため五十嵐に無理をさせられない中で、先発マウンドに立った背番号20の浅井颯斗が初回から流れを創価に持って行かれた展開となった。

 「浅井は創価打線の圧にやられていたと思います。ただ、3回のピンチを切り抜けた投球は良かったと思いますし、打線も今日のような投手(石坂)を経験できました。これは大きいと思います」

 経験という大きな成長の糧を得た日本学園。冬場の成長に繋げて、春はさらに上位へと躍進したいところだ。

(文=栗崎祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.29

北海は道内29連勝なるか、東海大札幌VS札幌日大の強豪対決も、30日に札幌支部で代表決定戦【2024夏の甲子園】

2024.06.29

昨秋3位の豊橋中央が登場、享栄破った実力見せる!30日愛知大会【2024夏の甲子園】

2024.06.29

激戦区・愛知が開幕!ノーシードから4連覇狙う愛工大名電が17得点の圧勝発進、大府、愛知産大三河も初戦を突破【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!