試合レポート

市立船橋vs千葉学芸

2020.08.15

市立船橋が試合巧者ぶりを発揮!千葉学芸の好投手を攻略し、準決勝進出

 ブロック予選はともにすべてコールド勝ちの市立船橋と千葉学芸。市立船橋習志野を5回コールド勝ちを収めており、千葉学芸はプロ志望届けを提出している小芝、高校通算37本塁打の有薗の打撃が注目された。

 しかしこの試合は市立船橋の試合巧者ぶりを存分に見せつけた試合となった。

 1回裏、一死二塁から打撃好調の3番・高田海斗の左前適時打で1点を先制。さらに3回裏にも二死二塁から4番清水裕斗の左前適時打で幸先よく2点を先制。しっかりとチャンスを作ってクリーンナップが返すという理想的な攻撃で試合のリズムをつかむ。

 市立船橋の先発・亀田幸汰は130キロ前後の直球と小さくてもとでで切れる横のスライダーを外角、低めに投げ分け、ここまで地0無打率5割を超える強力打線・千葉学芸相手に無失点の好投。またそれをこたえる堅い守備もあった。亀田は「今日は自信としているスライダーが良く決まりましたし、相手打線は威圧感がありましたけど、苦手なコースをよく攻めることができてよかったです:と子コントロールが安定していた。リードする櫻内も「苦手なコースに投げさせることに集中し、配球については僕が考えましたが、亀田の投球は期待以上のものがありました」と

 そして6回裏、市立船橋は無視一、二塁から勝負に出る。7番・大野栄瞬がバスターエンドランを仕掛け、3点目。ここでここまでの力投の小芝が降板するも、後続の投手が打線の勢いを止めることができず、打者9人の攻めで5得点。ここまで長打なしでビッグイニング。バスターからチャンスを作った市立船橋が7対0と試合の主導権を握った。

 勝負に出たバスターが非常に大きかった。この場面について櫻内監督はどんな狙いがあって指示をしたのか。
「バントを失敗して2ストライクに追い込れていたので、

 そして7回表、二死満塁から4番有薗直樹がレフト線へ二塁打。ここで凡退すればコールド負け。初球からフルスイング。そしてコンタクトできる集中力の高さが素晴らしい。非常に値打ちのある一打だといえる。

 高倉監督も「調子を落としていましたが、4番打者としての仕事は最低限果たしてくれました」とこの一打を評価した。

 しかし市立船橋は7回裏、攻撃の手を緩めることなく、8番・水山太陽の中前適時打で1点を追加し、8対2とする。

 市立船橋は計4投手のリレーでつなぎ、2失点に抑え、準決勝進出を決めた。。4投手のうち3人が130キロを超える。変化球も曲がりが小さい変化球をしっかりとストライクゾーンに入れる制球力がある。県内ではトップレベルの投手層だといえる。

 大物打者はいない。ただ常に出塁して、相手にプレッシャーをかけて、じわじわと追いつめる市立船橋の試合運びは、交流戦出場のチームや、独自大会優勝のチームに対しても十分通用する野球だ。次は優勝候補・専大松戸。総合力も高く、盤石な試合運びを見せる専大松戸相手に市立船橋にどんな野球を見せるのか。

(記事=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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