試合レポート

都立日野vs都立杉並

2021.07.18

都立唯一シード・日野、エース木下が4安打完投で初戦突破

 18日、[stadium]立川市営球場[/stadium]の第一試合では西東京で都立校唯一のシード校・都立日野が登場。都立杉並との3回戦を4対2で勝利し初戦突破を決めた。

 都立日野は初回、西東京屈指の右腕・木下孔晴が1四球2安打を許し2点を奪われる。「初戦ということで緊張して、フォームにも硬さが出てしまった」と反省。それでもその後は8回まで安打を許さず、本来の投球を見せてくれた。

 都立杉並は2018年夏、3回戦で後に優勝を果たす強豪・日大三を相手に一時は3点リードする善戦を繰り広げた実力校。前日、苦しみながら初戦突破を果たした日大三の小倉全由監督も「3年前の初戦に比べたら…」と引き合いに出すほど強烈なインパクトを残していた。

 その勇姿を「テレビで見ていました」というエースの笠谷昴生が先発。初回に援護を受け、マウンドに登るも3つの四球を与え、無安打ながら同点に追いつかれてしまった。「流れを悪くしてしまった」と笠谷は試合後、涙を滲ませながら語った。

 都立日野は木下の好投に打線も、日々の鍛錬が伺える鋭いスイングで快打を見せる。手堅く得点を重ねじわじわとリードを広げていった。終盤8回には一死満塁の好機に代打・背番号17の丹 駿貴が左前適時打を放ち貴重な追加点を挙げた。この起用に嶋田雅之監督は「左投手でしたし、丹君はチャンスに強いので、やってくれるんじゃないかなと」。指揮官の期待に応える勝負強さを夏の初戦で発揮した。

 木下は最終回に2安打を許すも最後は二飛に抑えゲームセット。9回117球、4安打、2失点の完投勝利を果たした。30度を超える暑さも、凛とした表情で堂々と投げ込む姿が印象的だった。「まだまだ投げられます」と試合直後も疲れた表情を一切見せずに答えた。

 都立日野を選んだ理由は、「私立に行くお金の余裕がなかったので、都立で野球が強いところを選びました」。2年半が経ち、都立日野のエースに君臨する木下は虎視眈々と強豪撃破を狙う。

(取材=藤木 拓弥)

都立日野vs都立杉並 | 高校野球ドットコム刻々と変わる首都・東京の動きを早く・詳しくお伝えします。
そして、甲子園切符をつかむチームは…夏の高校野球東京大会の試合も熱くお届けします!
TOKYO MX「news TOKYO FLAG」(月~金 午後8時~  土・日午後6時~)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.24

夏の滋賀を盛り上げる23人の逸材を紹介!近畿屈指の大型遊撃手・岩井(滋賀学園)、名門・近江の大エース西山など投打に人材揃い

2024.06.24

秋田の組み合わせ決まる!明桜が初戦からいきなり金足農と対戦、初戦から秋春の王者対決【2024夏の甲子園】

2024.06.24

昨夏甲子園出場の文星芸大附の卒業生進路紹介!主力は上武大、国士舘大、東京農業大へ進学!

2024.06.25

昨夏甲子園16強・北海の卒業生進路紹介!元巨人外野手の息子らが中央大、147キロ右腕は社会人へ

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.19

夏の兵庫大会のヒーロー候補21人!報徳学園・今朝丸、神戸弘陵・村上の「151キロ右腕二人」が筆頭格!投打にタレント揃いの東洋大姫路にも注目

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】