Column

楽天3位でプロ入り、大接戦を演じた学校も。躍進を見せた21年の21世紀枠4校を総括

2021.12.10

  本日、21世紀枠の各地区推薦校9校が発表される。昨年、4校が21世紀枠として出場したが、成績や各校のトピックスについて紹介したい。

楽天3位でプロ入り、大接戦を演じた学校も。躍進を見せた21年の21世紀枠4校を総括 | 高校野球ドットコム
新川 俊介(具志川商)、前田銀治(三島南)、福島蓮(八戸西)、鈴木 悠仁(東播磨)

東播磨(兵庫)・・・激戦区の秋季兵庫県大会で準優勝。近畿大会でも市立和歌山相手に接戦を演じた。結果的には21世紀枠での選出だったが、実力は一般枠扱いの声が多かった。実際にセンバツでは明豊と延長10回の大激戦を演じた。

八戸西(青森)・・・昨秋は東北大会に出場。エース・福島蓮(日本ハム育成1位)が注目されたが、センバツでは3対8と敗れ、本来の実力は発揮できなかった。それでもエース福島が全国大会を経験し、その後のプロ入りに繋げたことを考えると、意味のある選出だった。

具志川商(沖縄)・・・昨秋は九州大会でもベスト8。実力は一般枠クラスという声もあったが、その期待通りの戦いぶり。特に2回戦の福岡大大濠との一戦は、延長11回に及ぶ熱戦となった。その後、具志川商は春季九州大会で圧倒的な実力で、優勝を収めている。このまま夏の甲子園に出れば躍進もあるのでは、と思わえるほどだったが、沖縄ベスト8で敗退。夏の大会の厳しさを実感させられる。

三島南(静岡)・・・最後の4番目に選ばれた三島南。稲木監督の発案で始めた「地域野球体験会」は、地元の保育園、幼稚園に通う児童たちを教える活動を13年から行っている。また晴天時の練習中にはビデオカメラを入れて、打った時の映像が映し出され、選手はそのフォームを確認しながらスキルアップする革新的な練習が注目された。三島南の甲子園出場で人生を変えたのが大型外野手・前田銀治外野手。鳥取城北戦で三塁打を放ち、そこで高卒プロを意識し、今年のドラフトで楽天から3位指名を受けるまでになった。大会でのインパクトは東播磨具志川商になるが、ある選手1人の人生を変えたとして、三島南の選出はかなりグッドだった。

 昨年は21世紀枠選出には「大会中」「大会後」の活躍を見ても、かなり魅力的な学校を選出したといえる。21世紀枠の選考にはこれまでの各校の魅力をどう伝えるかが鍵となるが、やはり選抜での活躍できるか否か、どの学校を選べば、大きな影響を与えるのか。そこまで踏み込んで選出することが重要となりそうだ。

(記事:河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.29

北海は道内29連勝なるか、東海大札幌VS札幌日大の強豪対決も、30日に札幌支部で代表決定戦【2024夏の甲子園】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.29

昨秋3位の豊橋中央が登場、享栄破った実力見せる!30日愛知大会【2024夏の甲子園】

2024.06.29

激戦区・愛知が開幕!ノーシードから4連覇狙う愛工大名電が17得点の圧勝発進、大府、愛知産大三河も初戦を突破【2024夏の甲子園】

2024.06.29

苫小牧中央が駒大苫小牧に完封勝ち、苫小牧工と浦河は10年ぶりの南北海道大会出場【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!