珍しい「広島対福井」2カードは、打撃戦と投手戦の様相
上加世田 頼希、真鍋 慧
第94回選抜大会のトーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕、[stadium]阪神甲子園球場[/stadium])の組み合わせが行われたが、「広島対福井」が2カード組まれるという珍しい結果もあった。第2日第1試合で「広島広陵ー敦賀気比」、第5日第3試合で「丹生ー広島商」。果たしてこの2試合はどんな結果となるのだろうか。
過去、センバツの初戦で同じ都道府県が対戦するカードが2試合となったのは、2017年(第89回大会)の「熊本対奈良」以来となる。ちなみに結果は智辯学園が9対0で熊本工に勝ち、秀岳館が11対1で高田商に勝利した。ともに1勝ずつの「引き分け」となっていた。
センバツの過去の対戦で「広島対福井」は3度ある。
1975年(第47回大会) 2回戦 福井商 3-0 広島工
1976年(第48回大会) 準々決勝 福井 0-4 崇徳
1989年(第61回大会) 2回戦 福井商 4-6 広島工
福井商と広島工という対戦が2度あった。対戦成績では広島の2勝1敗で勝ち越し。今回出場する4校は、それぞれセンバツでは初対決となる。
「広島広陵ー敦賀気比」は強豪同士の対決で打撃戦が予想される。広島広陵の昨年秋の公式戦チーム打率は.348。対する敦賀気比は.360。打線の中軸、特に3番、4番がしっかりしているのが特徴だ。
広島広陵の4番は「広陵のボンズ」と言われ、大会出場の「2年生BIG4」の1人、真鍋 慧内野手(2年)で、3番は昨年秋の公式戦チーム本塁打5本中、3本をマークしている内海 優太外野手(3年)。この「左打者コンビ」が要注目だ。
対する敦賀気比の3、4番は右の強打者。3番春山 陽登外野手(3年)は昨年秋の公式戦で打率.563(32打数18安打)をマークした。4番は右腕エースでもある上加世田 頼希投手(3年)が座る。
左打者が軸の広島広陵と、右打者が軸の敦賀気比。どちらのバットから快音が聞かれるのか。
もう一つのカード「丹生ー広島商」は、投手対決に注目したい。21世紀枠出場・丹生のエースは2年生左腕の井上 颯太投手。最速140キロの直球と、スライダー、チェンジアップに、カットボールも加えた多彩な変化球を操る。昨年秋の公式戦はほとんど1人で投げてきた。3年前に広島に入団したOBの玉村 昇悟投手に憧れた左腕が、どんなマウンドさばきをみせてくれるのだろうか。
対する広島商は継投策で勝ち上がってきた。1試合3人ほどのリレーで接戦を制している。「絶対的エースと継投策」。対照的な2チームの投手力が相手をどこまで封じ込めるかが鍵となりそうだ。