News

準硬式の日本一となった日本大 日大豊山出身の1年生右腕が好救援でV投手に

2022.08.28

準硬式の日本一となった日本大 日大豊山出身の1年生右腕が好救援でV投手に | 高校野球ドットコム
日本大・足立丈

<文部科学大臣杯第74回全日本大学準硬式野球選手権大会:日本大 10-9 大阪経済大(延長10回)>◇27日◇決勝◇レグザムスタジアム

 9対9で迎えた8回、日本大は1死一、二塁と一打勝ち越しのピンチを迎えていた。ここで、4番手としてマウンドに上がったのは背番号24の1年生が、ぴしゃりと後続を封じ、逆転を許さずに優勝への足掛かりを作った。

 「先輩から『打たれても仕方ない。1年生だから思い切り行け』と言われて、少し開き直ってマウンドに上がりました」

 今大会で4試合目の登板となった足立 丈投手(日大豊山出身)。チーム最多タイの登板となっているあたりからも、1年生ながら首脳陣の期待が高いことが分かる。足立の武器は、小気味のいい投球からくるテンポの良さだ。

 阪神・青柳 晃洋投手(川崎工科出身)を彷彿させる右腕を振り切る独特なフォーム。高校時代、同級生に上手投げの速球派投手がいたことを理由に現在に至ったが、直球は120キロ台、変化球も110キロ台のスライダー、チェンジアップと突出したスピードではない。ただ「春季リーグ戦が終わってから投手陣のテーマだった」というストライク先行のテンポ良い投球で、アウトの山を築いた。

 秘訣はマウンド上でのマインドだ。

日大豊山の時、調子を戻すために、『真ん中か真ん中高めくらいのイメージで投げよう』とアバウトに考えたらテンポが上がったので、もう一度心掛けています」

 また、高めの直球が使えるようになったことも大きい。

 日大豊山時代は、「使うことを考えたことがなかった」と選択肢にはなかったが、空振りや打たせて取るために、高めの直球を使うようになった。

 象徴的な場面は延長10回だ。10対9と勝ち越しに成功し、優勝へあと1イニングと勢いづくところで迎えたのは、大阪経済大の5番・津島 良丞外野手(4年=大塚出身)。チーム最多3打点をマークしていた最重要打者を相手に、2ストライクに追い込んでから、最後は高めの直球。これで空振りを奪い、小さくガッツポーズ。先頭打者を切り、勢いそのままに後続を封じて優勝投手となった。

 当初は硬式野球での継続を検討していたが、学業との兼ね合いなどもあり、準硬式の世界へ。そして1年生にして胴上げ投手に輝いた。「準硬式は選手主体でやることで、今まで違った真剣にやる楽しさがあります」と少し笑みをこぼし、充実ぶりが伝わってきた。

 1年生ながら優勝投手となり、延長10回の激闘とともに歴史に名を刻んだ足立 丈。これからどんな投手となり、再び歴史に名を残すのか。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.22

【鹿児島】神村学園は鹿児島商と沖永良部の勝者と対戦、鹿児島実は大島と初戦で対戦<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.22

【岐阜】県立岐阜商は高山西と対戦、同ブロックに中京<2024夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.22

南北海道室蘭支部が開幕!北海道栄、苫小牧中央がコールド発進【2024夏の甲子園】

2024.06.22

【愛媛】23日に抽選会!名門・松山商が1歩リード、済美、今治西が追う展開か<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.22

奈良の組み合わせ決まる!天理と智辯学園が同ブロック、春秋Vチームが4強かけて激突も【2024夏の甲子園】

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.18

今夏埼玉の注目野手18人! ドラフト1位級の花咲徳栄スラッガーを筆頭に浦和学院・昌平らに大型選手が揃う【埼玉注目野手リスト】

2024.06.18

昨夏甲子園出場の東海大星翔進路紹介!遊撃手は阪神、エースは専修大、主将はレギュラーとして大学選手権出場!

2024.06.19

夏の兵庫大会のヒーロー候補21人!報徳学園・今朝丸、神戸弘陵・村上の「151キロ右腕二人」が筆頭格!投打にタレント揃いの東洋大姫路にも注目

2024.06.18

激戦区・兵庫の組み合わせ決定!センバツ準V報徳学園は舞子と明石北の勝者と、3連覇狙う社、プロ注目右腕・槙野遥斗擁する須磨翔風など注目校の初戦は!?【2024年夏の甲子園】

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.24

春季近畿大会注目選手17人! 智辯和歌山の大型右腕、大阪学院大高の全国トップレベル遊撃手、天理のスラッガーコンビら逸材がこぞって出場!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.05.25

【長崎】長崎北、長崎日大、創成館などが勝利<NHK杯地区予選>