試合レポート

幕張総合vs芝浦工大柏

2023.07.11


幕張総合のプロ注目右腕・早坂が最速148キロ!6回無失点と夏の初戦で躍動

〈第105回全国高校野球選手権千葉大会:幕張総合13ー0芝浦工大柏(6回コールド)〉♢11日♢2回戦♢千葉県総合スポーツセンター

 幕張総合はプロ注目右腕・早坂 響投手(3年)が先発マウンドに上がった。

 1回、2回と打者6人をしっかりと抑え、立ち上がりは順調も、球速はなかなか上がらず本来の投球ではなかった。

 3回以降、尻上がりで球速が伸び、この日最速の148キロをマークする。しかしこの日の投球スタイルはいつもの早坂の投球ではない。直球で相手打者を圧倒する投球は最後のイニングとなった6回に見られた。

 この日はスライダーとカットボールをカウント球に使い、決め球にもスライダー、カットボールを使っていた。6回以外の投球に対して早坂は「試合前の投球練習でストレートより変化球のスライダーとカットボールの調子が良かったため、変化球を多く投げました」と説明。立ち上がりの直球の感覚が良くなかったため、変化球が多くなってしまったという。

 3回以降は直球の感覚が良くなってきたのだろうか、3回の最速は148キロで、4回、5回と147キロをマークしていく。

 一方、幕張総合の攻撃陣は2回に2点、3回に3点、5回に1点、さらに6回には7点を奪い13対0と6回コールドの条件を満たした。

 その裏の早坂の投球は圧巻だった。4、5、6番を三者連続三振を取り、最後の打者はこの日最速タイの148キロの高めの直球にバットが空を切りキャッチャーミットに収まった。

 幕張総合の柳田監督は早坂が6回のマウンドに上がる前に「たくさんの観客が見ているんだから最後はいい投球してこい」と伝えたという。「6回の投球は見てて気持ちよかったです」と早坂を讃えた。早坂も「監督さんに言われたので6回はストレートで圧倒しようと思い投げました」と三者三振で観客をどよめかせた。

 目標の球速について「155キロが目標だったので悔しいです」と苦笑いした。この日の投球の自己点数は50点と評したが、そこまで自分を過小評価しなくても良いと感じる。理想は初回から打者を圧倒できれば良いのだろうが、今の野球界は球数制限など色々と野球を打ち込む選手の身体のことを考えた方針があり、ただ勢いよく腕を振るのではなく、ここぞという場面で勢いのある球を投げれるようになればプロからの評価も上がると感じる。

 さらに走者が出ると球速が5キロぐらい落ちてしまうのが少し気になるところではあるが、それ以外は自分のポイントというものをわかっているようなので、それを意識すれば問題ない。

 3回戦では我孫子東と14日ZOZOマリンスタジアムで対戦することが決まった。早坂の圧倒する投球が見れるのか、次の戦いも目が離せない。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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