試合レポート

【東京】強豪私学対決は日大鶴ケ丘が圧倒! 阿部慎之助母校にコールド勝ち〈秋季大会〉

2023.10.17


日大鶴ケ丘・小林駿斗

日大鶴ケ丘、安田学園を5回コールドで破る!小林 先制の三塁打に5回被安打1の好投

雨で1日延びて行われた私立の強豪同士の一戦は、日大鶴ケ丘の2回の猛攻と、先発・小林駿斗の好投で、大差のついた試合になった。

日大鶴ケ丘の先発で背番号11の小林は、1次予選は指の負傷で登板できず、「本大会に何とか間に合いました」と萩生田博美監督は言う。一方、安田学園の先発でエースの稲葉颯来は、肘の状態が良くなかったが、會田勇気監督が本人に確認したうえで登板させた。

稲葉は、1回表は走者2人を出したものの無失点に抑えた。しかし2回表日大鶴ケ丘の猛攻が始まる。先制点は一死一、二塁から9番・小林が放った2点三塁打だった。「来た球に合わせて打ちました」と小林。日大鶴ケ丘は小林の前の8番・昆友樹から、4番・西川大智まで6者連続安打。日大鶴ケ丘は2回表だけで、延べ17人が打席に立ち、10本の安打を放ち、12点を挙げた。9番・小林はこの回にもう1本安打を記録しており、この回だけで打点3。また日大鶴ケ丘は1次予選、本大会の1回戦、2回戦と試合ごとに打順をかなり組み替えている。西川は公式戦初スタメンで、いきなり4番に抜擢した。「練習試合では4番を打たせています。ずっとくすぶっていましたから」と萩生田監督は言う。この試合は1番の五十嵐悠は、1回戦では7番といった具合に、試しながら、適性を見極めているようにもみえる。

一方安田学園は、この回だけでも先発の稲葉に日村勇人、原快誠と続き、二塁手であった主将の田畑 暁哉までも登板させたが、猛攻を食い止めることはできなかった。

3回裏も日大鶴ケ丘は、1番・五十嵐の三塁打などで4点を挙げた。

一方安田学園は、日大鶴ケ丘の小林に完全に抑えられて5回表の二死まで1人の走者も出せなかった。16点差だけに、あと1人で参考記録ながら完全試合になるところだった。安田学園の6番、途中出場の亀田悠斗は一塁方向に難しい当たり。小林は一塁のベースカバーに入ったが間に合わず、初安打となった。それでも小林は意に介さず後続を抑え、5回コールドが成立した。

好投の小林は「調子は良くありませんでした。空振りを取るより、打たせて取ることを考えて投げました」と語る。

日大鶴ケ丘のベンチには1次予選で登板している住日翔夢らもいる。日大鶴ケ丘は様々な選手を起用しながら、確実に力をつけてきているだけに、これからの戦いが注目される。3回戦は桜美林と対戦する。

一方敗れた安田学園の會田監督は、「(監督として)何もしてあげられなかった。このまま終わるわけにはいきません」と、来年に向けてのチームの成長を誓った。安田学園は巨人の阿部慎之助新監督の母校だ。後輩たちも頑張りをみせたいところだ。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.29

北海は道内29連勝なるか、東海大札幌VS札幌日大の強豪対決も、30日に札幌支部で代表決定戦【2024夏の甲子園】

2024.06.29

稚内大谷と士別翔雲がともにコールド勝ちで代表決定戦へ【2024夏の甲子園】

2024.06.29

昨秋3位の豊橋中央が登場、享栄破った実力見せる!30日愛知大会【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!