【北信越】星稜が延長10回サヨナラ勝ち!投手戦を制して4年ぶりの優勝を果たす<秋季大会>
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<秋季北信越地区高校野球大会:星稜1-0敦賀気比(延長10回タイブレーク)>◇23日◇決勝◇福井県営
星稜(石川)が延長10回の末にサヨナラ勝ちを収め、4年ぶり10度目の優勝を果たした。
試合は序盤からハイレベルな投手戦となる。星稜の先発は背番号11の道本 想投手(1年)。130キロ台後半の直球で果敢に押し込み、敦賀気比(福井)の強力打線に得点を許さない。
対する敦賀気比・先発の竹下 海斗投手(2年)は、前日の準決勝で10回134球を投げて完投していたが、「疲れた分、下半身を意識してリラックスして投げられた」と連投の疲労を感じさせない投球を見せる。130キロ台後半の直球に、スライダーやチェンジアップなどの変化球で星稜打線を翻弄。5回には左足に打球を受けたが、大事には至らず、その後も好投を続けた。
先に動いたのは星稜。8回に道本が先頭打者に死球を与えると、犠打で1死二塁と先制のピンチを招く。ここで星稜はエース左腕の佐宗 翼投手(2年)を投入。こちらも前日の準決勝で157球を投げて完投していたが、「いけます」と山下智将監督にアピールしたことで、終盤の勝負どころを託された。
前日に自己最速の141キロをマークした佐宗は「エースとして今日は気持ちで投げました」とこの日も力投。8回のピンチを無失点で凌ぐと、9回も3者凡退に打ち取り、試合は延長戦にもつれることになった。
無死一、二塁から始まるタイブレークの延長戦。10回表、敦賀気比は7番・丹尾 好誠外野手(2年)が犠打を決めて、1死二、三塁とする。この場面で佐宗は「三振が失点の可能性が一番低いので、三振を取りにいこうと考えました」と8番の小久保 稀世斗内野手(2年)から直球で空振り三振を奪うと、9番・嘉村 幸太郎外野手(2年)を一塁ゴロに打ち取り、無失点で切り抜けた。
その裏、星稜は犠打と四球で1死満塁とするが、佐宗が空振り三振に倒れて2死となる。ここで星稜は「彼しかいない」(山下監督)と今大会でここまで7打数3安打と当たっている中島 幹大内野手(2年)を代打に送った。
「強気でいこうと思いました」と中島は初球の真ん中低めのスライダーを捉えると、打球は中堅手の頭上を越える安打となり、サヨナラ勝ち。星稜が激戦を制して北信越の頂点に立った。
星稜は明治神宮大会の出場権を獲得。翌春の甲子園出場もほぼ確実だ。「夏に悔しい思いをして帰ってきましたので、とにかくこの秋、冬もう1度鍛え直して、春を迎えたいと思います」と山下監督。初戦敗退に終わった今夏の甲子園のリベンジを果たすべく、更なるレベルアップを目指す。
取材・文=馬場 遼