News

2年連続最下位・中日の「大当たりドラフト」とは? 投打の軸を獲得した2015年を振り返る

2023.10.26


小笠原 慎之介

毎年行われるドラフト会議で、指名した全員が1軍で華々しい活躍をすることはない。複数人の主力が出てくることも、そう多くはない。レギュラーや先発ローテーション投手、勝ちパターンといった主力が、同一のドラフト会議から生まれたら、それは”大当たりドラフト”と言っても過言ではない。

近年、各球団に大当たりドラフトはあったのだろうか。高校生と大学生社会人の分離ドラフトが終わった2008年以降のドラフトで振り返ってみたい。

中日は2015年のドラフト会議から、多くの主力選手が誕生した。ドラフト1位の小笠原 慎之介投手(東海大相模出身)は、ルーキーイヤーから15試合(12先発)に登板し2勝をマーク。2018年には高卒3年目で開幕投手を任された。以降は、やや伸び悩んだ感があったものの、2021年からは3年連続で規定投球回に到達している。投手タイトルの獲得こそないものの、3年連続で先発ローテーションを守り、チームを支える存在となった。

ドラフト2位の佐藤 優投手(古川学園出身)は、3年目の2018年に42試合の登板で10ホールドをマークするなど開花。オフには日米野球の日本代表にも選ばれた。しかし以降は目立った成績を残すことができず、2022年に現役を引退した。

ドラフト3位の木下 拓哉捕手(高知高出身)は1年目に9試合の出場。2年目には51試合に出場するなど出番を増やしていく。すぐにレギュラーを奪うことはできなかったが、2020年からはメインの捕手となった。チーム事情もあり完全に固定されているわけではないものの、正捕手といっても過言ではない起用が続いている。

中日OBの山本昌氏の背負っていた背番号「34」を与えられたドラフト4位の福 敬登投手(神戸西出身)は、左の中継ぎとして開花した。左肩を痛めたことで一時、育成契約にもなったが、2019年からは1軍に定着し、2020年には自身初のタイトルである最優秀中継ぎ投手に輝いた。2022年には黄色靱帯骨化症を患ったものの2023年に復帰した。通算260試合の登板で、82ホールドをマークしている。

ドラフト5位の阿部 寿樹内野手(一関一出身)は、4年目の2019年に二塁手のレギュラーを獲得。129試合に出場し規定打席に到達した。翌2020年には自身初の2ケタ本塁打(13本塁打)をマークし、そのまま定位置をつかんだが、2022年シーズンオフに交換トレードで楽天へと移籍した。

育成ドラフトからも、3位の三ツ間 卓也投手(健大高崎出身)と、6位の渡辺 勝外野手(東海大相模出身)の2人が支配下登録され、1軍での出場機会も勝ち取っている。

中日は2015年のドラフトで先発ローテーション投手、正捕手、左の中継ぎ、移籍してしまったが二塁手のレギュラーと4人の主力を獲得した。

<2015年ドラフトにおける中日の指名選手一覧>

1位:小笠原 慎之介東海大相模
2位:佐藤 優古川学園ー東北福祉大)
3位:木下 拓哉高知高ー法政大ートヨタ自動車)
4位:福 敬登神戸西ーJR九州)
5位:阿部 寿樹一関一ー明治大ーホンダ)
6位:石岡 諒太神戸国際大附ーJR東日本)

育1位:中川 誠也伊勢工ー愛知大)
育2位:吉田 嵩(長崎海星ー四国IL徳島)
育3位:三ツ間 卓也(健大高崎ー高千穂大ー武蔵ヒートベアーズ)
育4位:西浜 幹紘南伊勢ー星城大)
育5位:呉屋 開斗八戸学院光星
育6位:渡辺 勝東海大相模ー東海大)

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.29

北海は道内29連勝なるか、東海大札幌VS札幌日大の強豪対決も、30日に札幌支部で代表決定戦【2024夏の甲子園】

2024.06.29

昨秋3位の豊橋中央が登場、享栄破った実力見せる!30日愛知大会【2024夏の甲子園】

2024.06.29

激戦区・愛知が開幕!ノーシードから4連覇狙う愛工大名電が17得点の圧勝発進、大府、愛知産大三河も初戦を突破【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.26

【北北海道】北見支部では春全道4強の遠軽が登場、クラーク記念国際と好勝負演じた力見せる【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!