ウォームアップを左右するもの【セルフコンディションニングお役立ち情報】
寒い時期のウォームアップは脱ぎ着しやすい服装で調節することも可能
暑い時期から涼しい時期、そして肌寒い時期へと季節が移り変わってくると、それに伴って練習前に行うウォームアップも少しずつ変化させていく必要があります。ウォームアップとは文字どおり体を「温めて」より安全に体を動かすための準備であり、寒くなれば当然体を温めるのに時間がかかるからです。ウォームアップを行うときは、環境などによる「外的要因」と、選手個人個人のフィジカル面である「内的要因」などを考慮する必要があります。
《外的要因》
環境要因とも呼ばれ、天候をはじめとする自然環境や使用する路面(地面、床等)、さらには試合開始までの時間などが挙げられます。晴れた日と雨の日では体感温度も変わってきますし、そこに強い風が吹くとさらに体感温度は下がります(一般的に風速1m/sで体感温度が1℃下がると言われている)。例えば日射しがなく風の強い日は、気温以上に体が冷えていると想定した上でウォームアップを行う必要があるということになります。暑い時期であればもともと体が温かい状態なので、暑さによるスタミナの消耗を考慮しなければなりませんが、寒い時期であれば最初はウォームアップウエアを着た状態から、段階的に体を温めていくように時間をかけて行います。
《内的要因》
これは選手個人に起因する要因です。例えばケガをして不安部位を抱えている選手であれば、ストレッチをより多く取り入れて不安部位の動きやすさを獲得する。今朝のコンディションがあまり良くなく、体の重さを感じる選手であれば、体のキレを引き出すために短いダッシュを多く行う等、チームでウォームアップを行う前に、個人で取り組むことが必要となってくるかもしれません。また体温が高い場合は短い時間で体内から温まりますが、起床後まもないときや気温の低い日などは体温が低めです。こうした体調・体温なども考慮に入れて行うことが大切です。
ウォームアップにはこの他にチーム要因(人数や時期的なもの)なども考えられますが、こうした要因は日々変化するものであり、細かく考えるときりがない側面もあります。ただし一年中同じウォームアップを行うのではなく、シーズンごとや個人のコンディションによってウォームアップにかける時間や内容、個別の対応などを変えていくようことが必要であると言えるでしょう。
文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!