スクワットと膝の角度【セルフコンディションニングお役立ち情報】
スクワットはしゃがみ込む深さによってトレーニング効果に違いが現れる
体づくりのためには欠かせないトレーニングの中でも、下半身を鍛える種目として真っ先に挙げられるのがスクワットです。自体重で行うものをはじめ、ウエイトトレーニングのエクササイズとしても皆さん一度は行ったことがあるのではないでしょうか。スクワットは股関節と膝関節を曲げ伸ばししながら、下肢筋力をはじめ、体のバランスを養う体幹部分もあわせて鍛えることができます。今はネット情報に触れる機会も多く、皆さんの中にはトップアスリートの挙上重量値(MAX値)に驚いた経験があるかもしれませんが、スクワットはしゃがみ込みの深さによっても扱える重量が変わってくることも覚えておきましょう。
スクワットは膝の角度やしゃがみ込みの深さによっていくつかの種類に分けられます。代表的なものを紹介します。
《クォータースクワット》
いわゆる「浅め」のスクワットとして用いられるもので、膝の角度が45°程度。股関節の引き込みをあまり意識しなくても実施することができる。高重量を扱えるが、関節の可動範囲(関節を動かす範囲)が狭くなるため、下肢筋力の強化というよりも、高重量を支えられる体幹部への刺激がよりメインとなる。
《パラレルスクワット》
地面と太ももが並行になる位置までしゃがみ込むスクワットで、アスリートのトレーニングプログラムでは最もポピュラーな種目。股関節を引き込んだ上で下半身のパワーを引き出すため、臀部やハムストリングスといった股関節伸展動作に関わる筋肉を鍛えることができる。一方で高身長の選手にとっては膝から下の長さが高重量を扱う上でネックとなることがある。
《フルスクワット》
できる限りしゃがみ込んだ上で行うフルレンジスクワット。足関節や股関節などの柔軟性が伴わないと、そもそもこの姿勢を取ることが難しい上に、関節にかかる負荷が大きくなりやすいため、初心者にはむかない種目。特に膝関節には圧縮力や剪断力(せんだんりょく)といった力学的な負荷が半月板にダメージをもたらすことが知られている。
スクワットはしゃがみ込む深さによっても、トレーニングの意図やターゲット部位などが変わります。まずは基本のパラレルスクワットを習得し、そこから目的に応じて必要な種目を取り入れていくようにしましょう。
文:西村 典子
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