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『戦力外通告』出演・高山優希(元日本ハム)、プロ入りが大きく近づいた「明治神宮大会の150キロ」

2023.12.27


22年まで日本ハムに所属していた高山 優希投手(堺シュクライス)は2016年の大阪桐蔭のエースとして活躍した。
その高山を一躍、ドラフト候補として有名にした大会がある。それが2015年の明治神宮大会だ。この大会で最速150キロを計測し、観衆を大いに沸かせたのだ。
高山は下級生からベンチ入りし、2015年センバツでも登板。ストレートも140キロ前半を記録した。2015年秋季近畿大会でもエースとして優勝。神宮大会初戦では木更津総合(千葉)のエース・早川 隆久投手(楽天)との投げ合いを制して、1失点完投勝利を挙げた。
迎えた準決勝の高松商(香川)戦はベンチスタート。9回表、6対7の1点差の場面で、ついに出番が巡ってきた。西谷 浩一監督は、高山に、「1イニングだけだから、全力で放ってこい!」と伝えて送り出した。この言葉で「自然とスイッチが入りました」と語る高山。投球練習からいつもより腕が振れていて、指のかかりも良い感触だった。
気持ちも乗っている。ここでエースとして勢いある投球を見せれば、味方のモチベーションも上がる。まさに舞台が整った瞬間だった。テンションが最高潮に達した高山は自分でも驚く剛速球を放っていく。5番美濃 晃成内野手(JR四国)相手にいきなり143キロを計測。2球目で145キロと自己最速タイに到達すると、3球目はボールになったが、自己最速147キロを計測した。この時、高山は「しっかりと力が伝わったリリースができていると感じましたけど、ここまで出ているとは…」と自身も驚いていた。

そして4球目は148キロのストレートで空振り三振。自己最速を1キロずつ更新していく。受ける栗林 佑磨捕手(同志社大卒)も、「いつもより気持ちがこもっていましたね。高山の良い時は、スピンがキレイにかかっていて、唸るようなボールを投げ込んできます。まさにそんなボールでした」と絶賛するほどのストレートだった。
そして6番植田 理久都内野手(日本新薬)も遊ゴロに打ち取り、7番大熊 達也内野手(日本通運四国)を2球で追い込んで、3球目、栗林は外角ストレートを要求したが、逆球で内角へ。「本当に凄い球で、ボールについていくだけで精いっぱいで、ミットが持っていかれる勢いでした」と普段受けている栗林でさえも、捕ることで精いっぱいだったというストレートは最速150キロを計測。この150キロを機に、高山は一気にドラフト注目投手におどり出た。

その後、高山はセンバツに出場。最後の夏は3回戦で敗退。日本ハムから16年ドラフト5位指名を受けた。あの神宮大会での快投がプロ野球選手になる夢を手繰り寄せたことは間違いない。

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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