News

【センバツ】ホームラン激減!31試合でサク越えはたったの2本、新基準バットの影響でピークの10分の1に

2024.03.31


モイセエフ ニキータ(豊川)、正林 輝大(神村学園)※写真は過去の取材より

第96回選抜高校野球大会は、健大高崎(群馬)の優勝で幕が閉じた。新基準のバットが採用されて初めての大会。予想通りではあるが、大会通算本塁打数は、わずか3本だけ。ランニング本塁打をのぞく、柵越えはわずか2本だった。

金属バットが採用されて以降、最低だった1996年の5本を下回った。大会本塁打数が4本以下だったのは、木製バット使用最後の大会で、1本(ランニング本塁打)だけだった1974年以来、50年ぶり。新基準バット導入は、間違いなく本塁打数を激減させた。

フェンス直撃の打球もあり、従来のバットならば、フェンスを越えていたと思われる打球もあったが、大幅に本塁打数を増やすレベルではなかった。想定されてはいたが、長打を放つには、パワーだけでなく、芯に当てる確実性が求められる時代になったことが、今センバツの結果で証明されたのかもしれない。

大会最多本塁打は56回大会(1984年)の30本。ピークの1割になったということになる。

ここ10年の本塁打数と、主な話題を調べてみた。

2023年(95回)12本(沖縄尚学仲田 侑仁の満塁弾)
2022年(94回)18本(大阪桐蔭11本=大会記録)
2021年(93回)9本(東海大菅生千田 光一郎が大会通算800号)
2020年(92回)開催中止
2019年(91回)19本(東邦石川 昂弥が3本)
2018年(90回)18本(智辯和歌山黒川 史陽、林 晃汰など)
2017年(89回)23本(大阪桐蔭藤原 恭大が決勝で2本)
2016年(88回)14本(高松商植田 響介植田 理久都が史上初の同一大会兄弟弾)
2015年(87回)17本(敦賀気比松本 哲幣が大会初の2打席連続満塁弾)
2014年(86回)13本(智辯学園岡本 和真が2本)

巨人の岡本、中日の石川、ロッテ藤原など、懐かしい名前が並ぶ。今では、プロ野球で活躍している選手らが、センバツの舞台で長打力を誇った。甲子園での本塁打が彼らに自信をつけさせたに違いない。

逆に考えれば、新基準のバットの時代では本塁打を放つことが「希有」なことにもなり、本塁打の価値がグンと上がる。今大会で柵越えアーチを放った豊川(愛知)のモイセエフ ニキータ外野手(3年)、神村学園(鹿児島)の正林 輝大外野手(3年)は「本物」だということだろう。

今後、甲子園ならずとも、全国で開催される公式戦で、本塁打を放つということも、かなりすごいことだと思わなければならない。

<関連記事はこちら>
【トーナメント表】センバツ大会 結果
編集部が選ぶ「センバツベストナイン」!防御率0.00の2年生左腕、周東級の俊足野手など超高校級の逸材たち!
「意外と点が入る」新基準バット、勝利を摑むチームの「3つの条件」とは?
今年も逸材揃う!センバツ注目選手リスト
【一覧】センバツドラフト候補・スーパー2年生編

 

この記事の執筆者: 浦田 由紀夫

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.22

【鹿児島】神村学園は鹿児島商と沖永良部の勝者と対戦、鹿児島実は大島と初戦で対戦<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.22

【岐阜】県立岐阜商は高山西と対戦、同ブロックに中京<2024夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.22

南北海道室蘭支部が開幕!北海道栄、苫小牧中央がコールド発進【2024夏の甲子園】

2024.06.22

【愛媛】23日に抽選会!名門・松山商が1歩リード、済美、今治西が追う展開か<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.22

奈良の組み合わせ決まる!天理と智辯学園が同ブロック、春秋Vチームが4強かけて激突も【2024夏の甲子園】

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.18

今夏埼玉の注目野手18人! ドラフト1位級の花咲徳栄スラッガーを筆頭に浦和学院・昌平らに大型選手が揃う【埼玉注目野手リスト】

2024.06.18

昨夏甲子園出場の東海大星翔進路紹介!遊撃手は阪神、エースは専修大、主将はレギュラーとして大学選手権出場!

2024.06.19

夏の兵庫大会のヒーロー候補21人!報徳学園・今朝丸、神戸弘陵・村上の「151キロ右腕二人」が筆頭格!投打にタレント揃いの東洋大姫路にも注目

2024.06.18

激戦区・兵庫の組み合わせ決定!センバツ準V報徳学園は舞子と明石北の勝者と、3連覇狙う社、プロ注目右腕・槙野遥斗擁する須磨翔風など注目校の初戦は!?【2024年夏の甲子園】

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.24

春季近畿大会注目選手17人! 智辯和歌山の大型右腕、大阪学院大高の全国トップレベル遊撃手、天理のスラッガーコンビら逸材がこぞって出場!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.05.25

【長崎】長崎北、長崎日大、創成館などが勝利<NHK杯地区予選>