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波乱の春季千葉大会!木更津総合、習志野、市立船橋、成田の強豪が夏ノーシードに回る事態に!

2024.04.23


羽根徹平(木更津総合)、根立陸斗(習志野)

春季千葉県大会はベスト16が出揃い、夏のシード校が決定した。センバツベスト4の中央学院、春準優勝の専大松戸、秋ベスト4の千葉商大付、ベスト8の千葉学芸などが入ったが、習志野木更津総合市立船橋成田など毎年優勝争いに絡む学校がノーシードとなったのだ。

木更津総合はノーシードでは一番の実力。10年で4回決勝進出の習志野は課題多数

木更津総合のノーシードは9️年ぶり、習志野は8年ぶりとなった。
木更津総合は2回戦で専大松戸と対戦し、9回まで1対1の好勝負を演じていたが、10回表に2点を勝ち越され、惜敗となった。エース・石澤 順平投手(3年)が好投。右サイドから130キロ中盤ながら、多彩な変化球を投げる技巧派。他には川端 勝利投手(2年)、140キロ中盤の速球を投げ込む千葉 雄斗投手(3年)がスタンバイしている。打線は1年生から出場している羽根 徹平捕手(3年)、井上 陸内野手(3年)が中心。井上は投手力が高い東京学館戦で4打数2安打3打点の活躍を見せている。シード校からすれば一番怖い存在ではないか。

習志野は5回まで4対1とリードしながら、9回に追いつかれ、延長10回表に3点を勝ち越したが、その裏に3点とられてしまう。延長11回は1点を勝ち越したが、その裏、エラーで2点を失い、逆転サヨナラ負けを喫した。走者一、二塁でバント処理した一塁手の三塁への送球が逸れて、レフトのカバーも遅れてしまったのだ。この試合の失策は3と習志野らしくなかった。また、エースの蓮見 光太郎投手(3年)が1人で投げきることなり、それ以外の投手を経験させることができなかった。
習志野は14年以降、4度決勝に進出している。ノーシードだった2016年はベスト4まで勝ち進んでいる。スラッガー・根立 陸斗内野手(3年)を中心に打線は強力で、しっかりと立て直してくれる期待感はある。ただ昨年決勝進出したチームと比べると、投手の頭数が少なく、修正すべき課題が多い。夏まで間に合うのかという不安は残る。

市立船橋は140キロ超えの右腕・工藤 将佑投手(3年)、左の好打者・大野 七樹内野手(3年)、大型捕手・花嶋 大和捕手(3年)など投打の柱もいる。1回戦の東京学館船橋戦ではでは8安打12得点をあげコールド勝ちしたが、2回戦の千葉経大附戦では工藤が先制点を許してしまい、頼みの大野、花嶋はともに3打数1安打に終わり、2対3と惜敗となった。実力を発揮したとは言い難い試合内容だった。

中央学院と対戦した成田も各打者のレベルが高い。大型右腕・蔵並 龍之介投手(3年)から1得点に終わったが、7安打を放った。蔵並も「成田高校さんは1番〜9番までスイングが速くて、ストレートにも強い打線でした」と驚いていた。その中心は阿部 佑大外野手(3年)、鹿児島 大輝内野手(3年)、鈴木 晴仁内野手(3年)。阿部は左の好打者で、鹿児島、鈴木はどちらも本塁打を期待出来るスラッガー。中央学院戦では5番サードでスタメン起用された田中 博己内野手(2年)はヒットは出なかったが、スイングが豪快で、来年の千葉県を代表するスラッガーになりそうな逸材だ。投手陣も仁岸 翼投手(3年)は130キロ後半の速球、スライダー、フォークを操る右の本格派、リリーフの相原 漣恩投手(3年)は上背はそれほどないが、140キロをマークした速球は威力がある。

ほかでは、投手力が高い東京学館、スラッガー・森 虎之介内野手、投打ともにセンスが光る左腕・葉山 洋翔投手(3年)を擁する千葉敬愛、143キロ右腕・早川 純暉投手、スラッガー・伊藤 優翔外野手(3年)が牽引する光英VERITASにも注目が集まる。

実力のある学校がノーシードに回ると、夏の抽選会が白熱する。2014年には銚子商拓大紅陵がいきなり激突するカードもあった。今年は習志野vs木更津総合成田vs市立船橋のカードが実現する可能性があるかもしれない。あるいは中央学院専大松戸のブロックに、強豪校が入る可能性もある。

2024年の夏の千葉大会は例年以上に、序盤から盛り上がりを見せる大会になりそうだ。

次のページ:【一覧】千葉県 夏のシード校、主なノーシード校

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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