”おかわりジュニア”にシニア日本代表選手も!NPB5人輩出の強豪・世田谷西シニアのモットーは「野球を楽しむこと」
吉田昌弘監督
春夏合わせ8度の中学日本一を達成し、昨夏もリトルシニア日本選手権、ジャイアンツカップの2冠に輝いた名門・世田谷西リトルシニアの練習に密着。昨年ドラフト3位でソフトバンクに入団した廣瀨 隆太内野手(慶應義塾–慶應義塾大)をはじめ、5人のNPB選手を輩出した関東屈指の強豪の取り組みに迫った。
チームは今年度も、投打に好選手が揃う。注目は181センチ95キロの恵まれた体格から鋭い打球を飛ばす、中村 勇斗選手(3年)だ。NPBで現役最多本塁打を誇る西武・中村 剛也内野手(大阪桐蔭)を父に持ち、投げては最速130キロの直球と得意のスライダーで春の全国選抜大会ではエースナンバーの「1」を背負った。
ほかにも野手では、東 修平選手(3年)が24年のシニア日本代表(2024MCYSA 全米選手権大会メンバー)に選出された。「バッティングが魅力で、なんでもできてしまう」とチームメイトも口揃える実力者だ。延末 遵太捕手(3年)は、走塁技術の高さだけでなく、配球や周りを見る力にも自信を持つ。長男・勧太内野手(横浜-日本体育大)、昨夏甲子園で107年ぶり優勝に貢献した次男・藍太内野手(慶應義塾-慶應義塾大)の背中を追いかけ世田谷西に入部し、「自分も甲子園に出て注目されるような選手になりたい」と3兄弟での甲子園出場を見据えている。
バッティング練習で快音を連発した金指 英龍選手(3年)は、角度のある打球でチームの中で一番と言っていいほどの強烈な打球を見せる。さらには、投手としても球速や回転数などを測定するラプソードで141キロを記録した。投手でも、昨年のジャイアンツカップで胴上げ投手となった大矢 球道選手(3年)や最速131キロ左腕・田島 翔投手(3年)など、好投手が名を連ねている。
能力の高い選手を多く抱えるチームだが、指揮を執る吉田 昌弘監督は、あくまで「楽しむこと」を選手たちに求めているという。
「身体のサイズも違えば、元々持っているものも違うので。うちの場合は色々な素材がいるので、どんどん上手になって楽しんでもらう」
実際に、練習ではピリッとした雰囲気に包まれながらも、苦しい表情を見せる選手は少ない。熱意を持って接する吉田監督は、時折笑顔を見せながら指導するなど、選手だけでなく、指導者にもチームの信条は浸透していた。
「スタッフも大人としての責任とか、子供がこれだけいるなかでやっていくのである程度の覚悟が必要だと思うけれど、楽しくてやっているので、あまり苦労しているとか、大変だとかそういった感覚はないと思います」
チーム全体で「野球を楽しむ」ことにより、選手たちの野球への探求心を高め、自身の能力を引き出す。「その子の野球のMAXにもっていきたい」という吉田監督の言葉には、一学年50人以上の大所帯を背負う覚悟と責任感が込められている。
親身になって指導する姿に選手たちも信頼置く。延末は、「的確に効率よく練習をしたり、相手の裏をかいた戦術だったり、全部が勉強になるようなことを教えてくれる」と話していた。
春の選抜大会では、優勝した中本牧シニアに敗れた。悔しさを晴らすべく挑む夏に向け吉田監督は、「もちろん全部勝つ気持ちで選手、スタッフ、保護者の方も含めて向かっていくと思います。とにかくいい思い出になるように、精一杯向かっていくのみです」とチーム一丸となって戦うことを誓っていた。
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『おかわり.Jr・中村勇斗に141キロ右腕・金指英龍!世田谷西シニアは今年も逸材の宝庫』
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