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ヤクルト・奥川が「980日ぶり」勝利は、躍動への序章! 「 1159日」「1392日」「632日」…プロ野球で活躍する長期ブランクを乗り越えた男たち

2024.06.15


昨年11月・四国IL・愛媛マンダリンパイレーツ戦で最速154キロを計測した奥川 恭伸投手(撮影=寺下友徳)

14日、ヤクルト・奥川 恭伸投手(星稜=19年ドラフト1位)が22年3月29日の巨人戦以来、808日ぶりとなる1軍登板で今季初勝利を手にした。勝利投手となったのは21年10月8日の阪神戦以来980日ぶり。お立ち台では、観客の声援に涙が止まることはなかった。

星稜時代には最速154キロの直球と抜群の制球力を武器に、3年時夏の甲子園で準優勝投手となった。一躍”甲子園のスター”となった奥川は、ドラフト1位でヤクルトに入団。2年目のシーズンには9勝4敗の好成績で日本一に貢献するなど、期待通りの活躍を見せていた。しかし、その後は右肘の怪我に苦しみ、2年以上も1軍のマウンドから遠ざかっていたが、復活の第一歩となった。

長期ブランクから復活した投手は、ベテランや故障が再発するケースも多いが、近年は若くして怪我から再起を果たした投手も少なくない。

現在、セ・リーグトップタイの7勝を挙げている阪神・才木 浩人投手(須磨翔風=16年ドラフト3位)もその一人だ。20年にトミー・ジョン手術を受け、1159日ぶりの白星から復活を遂げると、今季は持ち前のストレートと鋭く落ちるフォークを武器にエース級の活躍を見せている。阪神では才木同様にトミー・ジョン手術を経験し、昨年5月に1392日ぶり勝利投手となった島本 浩也投手(福知山成美=10年育成ドラフト2位)も、中継ぎとして35登板で防御率1.69と安定した成績を残し、38年ぶり日本一に貢献している。

若くして手術に踏み切ったケースでいえば、巨人の山崎 伊織投手(明石商-東海大=20年ドラフト2位)も大学時代に発症した怪我から復活を遂げ、ローテーションの一角を担うまでに成長した。3年時10月の公式戦で登板して以降、プロ入り後も1年間はリハビリの期間が続いたが、昨季は初の2桁10勝に到達。戸郷 翔征投手(聖心ウルスラ=18年ドラフト6位)らと共に、巨人投手陣を支える屋台骨のような存在だ。他にも奥川と同期入団のドラ1・堀田 賢慎投手(青森山田=19年ドラフト1位)も632日ぶりの白星を飾っている。現在は2軍調整となったが、ここまでプロ入り後最多の3勝を挙げ、覚醒の兆しを見せている。

奥川の復活は、ヤクルトファンのみならず多くの野球ファンが願っていることだろう。かつて甲子園を沸かせたヒーローは輝きを取り戻せるのか。今後の投球から目が離せない。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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