昨年、愛工大名電を追い詰めた公立の雄・大府がコールド発進!今年は享栄と同ブロック、好投手&強力打線で突破を目指す【24年夏・愛知大会】
2回に先制ソロを放ってガッツポーズの大府・武輪
<第106回全国高校野球選手権愛知大会:大府10―1名古屋経済大高蔵>◇29日◇1回戦◇豊橋市民球場
【トーナメント表】愛知大会 29日までの結果一覧
昨夏は、初戦で優勝した愛工大名電を9回、あと一死というところまで追い詰めた大府。その立役者となった長野 晴太投手(3年)が健在で、今大会でも注目校の一つでもある。知多地区2位校として挑んだ春季県大会は中京大中京に屈した。それでも、その後の全尾張大会では優勝しており、力のあるところは示している。
大府はエース長野投手を万全の状態で先発マウンドに送り出したが、初回、いきなり連続失策で無死一三塁の大ピンチを迎える。しかし、そこで盗塁を仕掛けてきた名経大高蔵に冷静に対処。三振併殺で0に抑える。結果的には、これが試合の流れそのものを大きく左右した。
大府の中嶋 勇喜監督は。ここで伝令を送り「三塁走者は帰してもいいから、無死一塁というつもりで守っていけ」という指示を与えた。一方、名経大高蔵の麻王 健之郎監督は「ウチが勝つチャンスがあるとしたら、4~5点勝負の試合になると見ていたので、初回のチャンスで2点は欲しいと思い、盗塁を仕掛けていったのですが、失敗でした」と残念がった。
このピンチを凌いだ大府は2回に武輪 温翔捕手が左翼へソロ本塁打で先制。さらに3回、4回にも1点ずつ加え、5回には、再び武輪選手が今度は2ランを同じように左翼スタンドに運んで5点差。これで、試合は完全に大府の流れとなっていった。
長野投手は5回二死まで無安打に抑えて、6回を投げて3安打無失点。
大府は、7回には打者11人、5安打3四死球で5点を奪うビッグイニングとして大量リードとなった。名経大高蔵は5人の投手を早いタイミングで投入していったが、力強い大府打線を凌ぎ切れなかった。
6回に二死からながら、やっと連打が出た名経大高蔵だったが、結局は長野投手を攻略しきれなかった。大府は7回には2人目として蛭川 啓冴投手(3年)を起用したが、名経大高蔵は二死走者なしから7番舘野 拓巳選手(3年)が出会い頭的ではあったけれども左翼芝生席に叩き込むソロホーマーで一矢を報いた。
好試合が期待されたカードではあったが、結局7回コールドゲームという形になってしまった。それでも、名経大高蔵としては、「接戦に持ち込めなかったら、コールド負けもあるかもしれないということは、想定していました」と、麻王監督の言うように、今のチームとしての持てる力は出したというところであろうか。
攻守で圧倒した大府は今後の戦いにも注目が集まる。
享栄と同じブロックではあるが、「まずは、初戦です。多少硬くなるとは思っていましたが、初回の連続失策は、よく堪えました」と中嶋監督は振り返っていた。そして、「長野以外の投手を投げさせられたこともよかったし、テスト明けでもあり、序盤は次の試合まで1週間、間隔が開きますから、ここからさらに調整していきます」と、先を見据えていた。
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