試合レポート

今治西vs帝京第五

2013.09.29

今治西、下位打線の「勝負強さ」で2年ぶり秋季四国大会へ!

今治西vs帝京第五 | 高校野球ドットコム 

3試合連続完投(自責点0)の・神野(今治西)

 2年ぶり36度目のベスト4進出を果たした今治西と、15年ぶり9度目のベスト4へ駒を進めた帝京第五による準決勝。
 軍配は先発・西浦大生(2年・左投左打・163センチ75キロ)が7回3失点(自責点1)と試合を作り、6回表二死二塁から5番・先山竣涼三塁手(2年・右投右打・173センチ77キロ)が二遊間手適時打を放つなど「崩れずに戦えた」(楠本雄亮監督)帝京第五を振り切った第1シード・今治西に上がった。

 要因はいくつかある。1回表無死満塁の大ピンチに「気持ちを楽にして投げろ」と伝令を送った大野康哉監督のベンチワーク。

 中盤以降「低目を意識して投げて」125球で3試合完投・12奪三振。これで県大会3試合27イニング自責点0(失点1)となった左腕・神野靖大(2年・左投左打・169センチ60キロ)によるけれんみないピッチング。加えて8個の送りバント成功。

 ただ、この試合で特筆したいのは全3打点をマークした今治西下位打線の「勝負強さ」である。

 2回裏の先制点は一死二塁から6番・福原健太右翼手(2年・右投右打・172センチ70キロ)が右におっつけたもの。4回裏の2得点も5番・神野、6番・福原の連打に続き、7番・秋川優史一塁手(1年・右投右打・177センチ68キロ)の犠打が失策を誘い、なおも二・三塁から8番・西原健斗左翼手(2年・左投左打・168センチ68キロ)の左犠飛によるもの。
 7安打中5安打を6番以下がマークしたことを見ても、彼らの活躍は歴然だ。


今治西vs帝京第五 | 高校野球ドットコム 

先制打含む3打数3安打の6番・福原(今治西)

 しかも活躍に至る過程も偶然ではない。低め真っ直ぐを捉えた先制打含め3打数3安打の福原は語る。
「今週の練習ではセンター方向を意識していましたし、打席でも我慢強く右方向に打とうと思っていました」

 すなわち、練習での狙いを忠実に実践したことが結果につながったのである。
 あとは3試合9打数2安打に留まっている1番・田頭寛至遊撃手(2年主将・右投左打・169センチ61キロ)をはじめ、上位打線の奮起を待つのみ。

「唯一のシード校として四国大会に出なければいけないプレッシャーがあったが、明日は思いっきりいけると思う」大野康哉監督の願いが届けば、4年ぶり16度目となる秋の愛媛県大会王者は自然に手中へ納まることだろう。

(文=寺下友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.04

「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】

2024.07.04

「速さが怖かった」 センバツ4強から学んだ走塁で市立柏が千葉の上位を狙う

2024.07.04

5日に北北海道大会の抽選会!クラーク記念国際と別海が軸、接戦を勝ち抜いたチームにも勢い

2024.07.04

5日に新潟大会が開幕!帝京長岡と日本文理の対戦相手が決まる【2024夏の甲子園】

2024.07.04

5日に富山抽選会!昨年秋覇者・高岡商か、今年春の覇者・富山商か、ノーシード新湊の組み合わせにも注目<夏の甲子園県大会>

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.29

北海は道内29連勝なるか、東海大札幌VS札幌日大の強豪対決も、30日に札幌支部で代表決定戦【2024夏の甲子園】

2024.06.29

激戦区・愛知が開幕!ノーシードから4連覇狙う愛工大名電が17得点の圧勝発進、大府、愛知産大三河も初戦を突破【2024夏の甲子園】

2024.06.29

昨秋3位の豊橋中央が登場、享栄破った実力見せる!30日愛知大会【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!