今治西vs帝京第五
今治西、下位打線の「勝負強さ」で2年ぶり秋季四国大会へ!
3試合連続完投(自責点0)の・神野(今治西)
2年ぶり36度目のベスト4進出を果たした今治西と、15年ぶり9度目のベスト4へ駒を進めた帝京第五による準決勝。
軍配は先発・西浦大生(2年・左投左打・163センチ75キロ)が7回3失点(自責点1)と試合を作り、6回表二死二塁から5番・先山竣涼三塁手(2年・右投右打・173センチ77キロ)が二遊間手適時打を放つなど「崩れずに戦えた」(楠本雄亮監督)帝京第五を振り切った第1シード・今治西に上がった。
要因はいくつかある。1回表無死満塁の大ピンチに「気持ちを楽にして投げろ」と伝令を送った大野康哉監督のベンチワーク。
中盤以降「低目を意識して投げて」125球で3試合完投・12奪三振。これで県大会3試合27イニング自責点0(失点1)となった左腕・神野靖大(2年・左投左打・169センチ60キロ)によるけれんみないピッチング。加えて8個の送りバント成功。
ただ、この試合で特筆したいのは全3打点をマークした今治西下位打線の「勝負強さ」である。
2回裏の先制点は一死二塁から6番・福原健太右翼手(2年・右投右打・172センチ70キロ)が右におっつけたもの。4回裏の2得点も5番・神野、6番・福原の連打に続き、7番・秋川優史一塁手(1年・右投右打・177センチ68キロ)の犠打が失策を誘い、なおも二・三塁から8番・西原健斗左翼手(2年・左投左打・168センチ68キロ)の左犠飛によるもの。
7安打中5安打を6番以下がマークしたことを見ても、彼らの活躍は歴然だ。
先制打含む3打数3安打の6番・福原(今治西)
しかも活躍に至る過程も偶然ではない。低め真っ直ぐを捉えた先制打含め3打数3安打の福原は語る。
「今週の練習ではセンター方向を意識していましたし、打席でも我慢強く右方向に打とうと思っていました」
すなわち、練習での狙いを忠実に実践したことが結果につながったのである。
あとは3試合9打数2安打に留まっている1番・田頭寛至遊撃手(2年主将・右投左打・169センチ61キロ)をはじめ、上位打線の奮起を待つのみ。
「唯一のシード校として四国大会に出なければいけないプレッシャーがあったが、明日は思いっきりいけると思う」大野康哉監督の願いが届けば、4年ぶり16度目となる秋の愛媛県大会王者は自然に手中へ納まることだろう。
(文=寺下友徳)