北越vs新津南
猛打爆発!! 北越、ベスト16へ!
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2回戦は、シード校らしい盤石の試合運びでコールド勝利。勢いにのる北越が、新津南と激突。試合は県内トップクラスの破壊力と言われる北越打線が爆発した。
初回、北越は新津南先発の波多野を攻め、1番・山我(3年)のセンター前ヒットと相手エラー、犠打で一死二、三塁と先制のチャンスを作る。ここで4番・田村(3年)はフルカウントから高めのストレートに手を出し、空振り三振に倒れてしまう。
北越ベンチに嫌なムードが漂うが、続く5番・水落(3年)が初球の高めのストレートを振り抜き、ライトオーバーのタイムリーツーベース。2点を先制すると、続く6番・佐藤築(3年)が低めのストレートをレフトスタンドへ運び、2点を追加。4点を先制する。
北越は三回にも、水落のレフトスタンドへのソロ本塁打、四回にも水落の三打席連続打点となるタイムリーをはじめ、相手エラーにも乗じ、打者一巡の猛攻。7点を追加しリードを広げる。
北越の先発は、公式戦初先発となる伊藤(3年)。伊藤は初回、二回を打者3人ずつで退けるなど、テンポのいいピッチングで四回を43球、被安打2、無四球で0封。最終回は、大塩(3年)が締め、12対0で五回コールド。自慢の強力打線が爆発し、北越がベスト16へ駒を進めた。
コメント 小島監督(北越)
「相手先発の波多野君は好投手。ストレートが非常に力強いので、うちの打線がどのくらい差し込まれずにバットが出てくるかが鍵だと思っていました。
先頭の山我(3年)が、甘い変化球をセンター前に弾き返した。あれで、相手バッテリーがストレート中心の配球をするしかなくなったというのも大きかったですね。
先発の伊藤(3年)も、低めにあれだけ集められれば十分です。
うちは、(背番号1の)江村(2年)温存なんて言ってられないのですが、今日のようにゲームを作ってくれるとありがたい。次は、新潟県央工業さん。簡単にはいかないと思います。打線の奮起に期待します」
エキサイティングプレイヤー 伊藤洸輝(北越・3年・投手)
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伊藤洸輝(北越)
試合後、「ナイスピッチング」と声を掛けるとうれしそうに駆け寄ってきてくれた。
「先発は今朝、ロッカールームで言われました。でも、(背番号1の江村)伊吹を休ませる試合はここだと思っていたので、自分が先発するつもりで準備していました。公式戦初先発だったんですけど、“不安”よりも“楽しみ”で仕方なかったです」
伊藤洸輝、3年生。
昨夏の新チーム結成、小島監督から「エース候補」と名前が挙がっていた大型右腕。練習試合でも好投を重ね、チームの柱として誰もが秋の大会での飛躍を期待していた。
迎えた秋の大会。彼はケガのため、ベンチ入りを逃してしまう。だが、そこで腐ることはなかった。ケガのケアをしながら、体力強化に努めて、秋の北信越大会でセンバツ出場の松商学園戦(試合レポート)に登板。失点したものの、見事に復活を果たした。
そして迎えた今日の試合。そこには昨秋よりも一回り大きくなった伊藤の姿があった。
「ケガでチームに迷惑を掛けたけど、みんなが励ましてくれたからここまでくることができました。ケガはもう大丈夫です。今日は(捕手の)馬場とも、『低めに集めていこう』と話していて、初回からそのピッチングができました」
そう言うと精悍な顔から笑顔がこぼれた。その表情は、四回無失点という結果に対する充実感よりも、チームのために投げられる喜びをじっくりとかみしめているようだった。
だが、喜びだけではない。
「今は(江村)伊吹の後ろで存在感を示して、夏は背番号1を狙っていきたいです(笑)」宣戦布告も忘れない。北越のブルペンに頼もしい男がまた一人名乗りを上げた。
エキサイティングプレイヤー 水落風雅(北越・3年・三塁手)
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本塁打を放った水落風雅(北越)
「ここで点を取ったら大きいと思って打席に入りました。初球、高めにストレートが来たので振り抜いたらどんどん伸びていきました。いい場面で打てて良かったです。」
こう話すのは、県内屈指の破壊力と言われる打線で不動の5番打者に君臨する水落風雅。初回、二死二、三塁の場面で、ライトオーバーのツーベースを放ち、チームに先制点をもたらした。
小島監督も、その勝負強さに「(初回の攻撃は)4番が倒れて、点が入らない流れに傾きかけたのを、水落(3年)がよく打ってくれました。高めのストレートに負けず、初球をたたいて、打球も伸びましたね。秋から春に掛けて、バットを振る力が付いてきたし、ケースに応じて臨機応変なバッティングができるようになってきましたね」と目を細める。
「臨機応変なバッティング」で、三回に本塁打、四回にレフト前タイムリー。終わってみれば、4打数3安打1本塁打5打点。三塁打が出れば、サイクルヒットという見事な固め打ち。
「本塁打は、今年に入ってから打ってなかったんです。高校通算・・・5本目くらいですかね(笑)。三回のあの場面は先頭打者だったので、何とか出塁したいと思っていて、振り抜いたらスタンドに入りました。ヒットの延長線上でホームランになった感じですね。四回のタイムリーは、当てに行く感じになってしまったんですけど、うまく抜けてくれました。やはり、ランナーがいれば返すのが仕事ですから。(サイクルヒットは)狙っていなかったんですけど、最後は三振だったのが反省ですね(笑)」
次戦は、秋の大会で1対0で辛勝した(試合レポート)新潟県央工業と対戦する。
「秋は辛うじて勝ったと言われる試合だったので、相手を圧倒できるようにしたいと思います。そして、3番、4番が抑えられたとしても、チームを勝利に導けるように頑張ります」
監督からの信頼も厚い恐怖の5番打者が、今春北越を勝利へと導く。
(文=町井敬史)