常総学院vs鹿島学園

倉田（常総学院）

　常総学院で2014年秋から背番号1を背負ってきた左腕・鈴木昭汰(3年）は、肘の違和感でベンチ入りメンバーから外れている。今大会の背番号1は右サイドの倉田希に託された。

　一方、鹿島学園は、秋に背番号10だった左腕・長谷川貴大(3年)が背番号1となっており、両チームとも背番号1が先発投手に起用された。

　この日の天候は晴れだが、レフト方向に向かって強風が吹いている。先制したのは常総学院だ。

　3回表、先頭の8番・倉田がセンター前ヒットで出塁し、進塁打で二死三塁から、2番・有村恒汰(3年）のレフトへのホームランで2点を先制する。

（常総学院2対0鹿島学園）

　さらに6回表、常総学院は一死から4番・花輪直輝(3年)、5番・石川大（3年）の連打と四球で二死満塁とし、8番・倉田のレフトへの2点タイムリーでその差を4点とする。

（常総学院4対0鹿島学園）

　7回表、常総学院は先頭の1番・陶山勇軌(2年)がレフト前ヒットで出塁し、四球と犠打で一死二、三塁とすると、4番・花輪が左中間ツーベースを放ちさらに2点を追加する。鹿島学園はここで2番手に背番号10の右腕・佐藤潤（3年）を送り、後続を断つ。

（常総学院6対0鹿島学園）

　6点差とされた鹿島学園は7回裏に反撃する。一死から、4番・内村海斗(2年）がライト線ツーベースで出塁すると、6番・中谷太郎(3年)がレフト越えのホームランを放ち2点を返す。さらに7番代打・高塚裕太朗(3年）がレフトへのツーベースで続くが、8番代打・三ツ橋侑輝（2年）はレフトへのファールフライに倒れる。

（常総学院6対2鹿島学園）

長谷川（鹿島学園）

　8回表、鹿島学園はマウンドに3番手として背番号11の左腕・港谷真裕（2年）を送るがコントロールに苦しむ。連続四球と犠打で一死二、三塁とし、2番・有村に2球ともボールとなったところで、4番手に背番号17の右腕・藤井敬心（3年）を送る。

　常総学院は有村の四球で一死満塁とし、3番・宮里豊汰(2年)のレフト前ヒットで2点を追加。その差を6点とする。なおもボークで一死二、三塁とチャンスを広げるが、4番・花輪は浅いレフトフライ、5番代打・大曽根伸哉(2年）はショートフライに倒れ追加点は奪えない。

（常総学院8対2鹿島学園）

　8回裏、常総学院は2番手に背番号13の左腕・伊藤龍を送る。伊藤はアンダースローとサイドスロー、オーバースローを変幻自在に操り、鹿島学園打線を三者凡退に仕留める。

　9回表、常総学院は先頭の6番・中村迅（3年）がエラーと盗塁で無死二塁から、7番・清水風馬（3年）のレフト線ツーベースで1点を追加する。鹿島学園はここで5番手にファーストの守備についていた右腕・内村をマウンドに送る。
常総学院はなおも四球と送りバントで一死二、三塁。迎える1番・陶山の初球のワイルドピッチで2者が生還し、この回3点を追加する。

（常総学院11対2鹿島学園）

　9回裏、常総学院は3番手に背番号11の右腕・加藤将大(3年）を送る。
後がない鹿島学園は一死から、4番・内村が四球で出塁し、6番・中谷のこの日3本目のヒットとなるレフトオーバーツーベースで1点を返す。中谷は悪送球の間に三塁まで到達し、二死三塁とするが、7番途中交代・大竹結人(3年）は空振り三振に倒れ試合終了となる。

（常総学院11対3鹿島学園）

　常総学院が14安打11得点で鹿島学園を下し、2回戦進出を決めた。

　常総学院には、鈴木昭汰、樫村雄大以外にも個性的な投手が豊富に揃っていることが確認できた。先発の倉田は130キロ前後のストレートと大きく横滑りするスライダーのコンビネーションで投球を組み立て、7回被安打5、失点2と試合を作った。

　2番手の左腕・伊藤は、最初はアンダースローだったが、2人目の打者からオーバースローとサイドスローを組み込み、どの投げ方からもストレートと変化球の両方を投じ、打者を翻弄した。

　3番手の右腕・加藤は、四球の後に長打を浴びて失点したが、ストレートにキレがあり、3つのアウトを全て三振で奪った。鹿島学園は、左腕・長谷川がスライダーを中心に組み立て、中盤まで粘りの投球をみせたが、6回・7回に常総学院打線につかまった。夏はパワーピッチャーの右腕・佐藤につなぐタイミングが勝機を手繰り寄せるポイントになりそうだ。

（取材・写真＝伊達 康）

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