Column

U-15代表、184センチの長身左腕など 横浜、福岡大大濠などに進学した期待の逸材たち

2023.05.09

 春季高校野球福岡大会は、福岡大大濠が5季ぶりの優勝を果たし幕を閉じた。また準優勝の西日本短大附も、九州大会では福岡大大濠と共にベスト4に進出するなど力を見せ、夏の熱戦を期待させる結果となった。今回はそんな福岡県にちなんだ話題を紹介する。

 今年もルーキーの活躍が各地で聞かれるが、福岡在住ライター一押しの「福岡県出身の注目1年生選手」を見ていく。中学時代に頭角を現し、中には県外の強豪校へ進んだ選手もいるが、どの選手も将来有望株として期待される存在だ。

北九州市立田原中学校・中野悠斗投手

U-15代表、184センチの長身左腕など 横浜、福岡大大濠などに進学した期待の逸材たち | 高校野球ドットコム
北九州市立田原中学校・中野悠斗投手

 北九州市小倉南区にある北九州市立田原中学校。強豪私立中学のように選手を集めているわけではない、言わば普通の公立中学校だが、突如、快速サウスポーが現れたと、高校野球関係者の間で話題になった。

 中野 悠斗(なかの・ゆうと)投手は、184センチ、66キロと投手らしいすらりとした体型から、キレのある球を投げ込み、その将来性の高さに多くのスカウトが唸った。最後の夏は小倉南区大会で敗れ、チームとして実績を残すことはできなかったが、引退後も地道に練習を続け、球速は130キロ超まで伸びている。

 「高校野球ではまずはベンチ入りを目指し、少しでもチームに貢献できるように頑張りたい」と意気込みを語る中野。

 高校は福岡大大濠へと進学した。山下 舜平大投手(オリックス)や三浦 銀二投手(DeNA)など、軟式出身投手を多くプロに送り出しているチームだけに、まずは体をしっかり作って大きく成長してほしい。

北九ベースボールクラブ・藤川敦也投手

U-15代表、184センチの長身左腕など 横浜、福岡大大濠などに進学した期待の逸材たち | 高校野球ドットコム
北九ベースボールクラブ・藤川敦也投手

 ヤングリーグでは、北九ベースボールクラブの藤川 敦也(ふじかわ・あつや)投手の存在感が一際目立っていた。180センチ、80キロとガッチリした体格から、力強い直球を投げ込み、フォームバランスの良さに惚れ惚れした。

 2022年7月時点で、すでに最速は137キロを記録し、カーブ、フォークといった変化球の精度も高い。高校野球では早くから登板機会が与えられるのではないだろうか。

 藤川は、宮崎県の強豪・延岡学園へ進学した。宮崎の地でどんな投球を見せるのか見逃せない。


筥崎ジンジャーズ・渡邊琉斗内野手

U-15代表、184センチの長身左腕など 横浜、福岡大大濠などに進学した期待の逸材たち | 高校野球ドットコム
筥崎ジンジャーズ・渡邊琉斗内野手

 日本三大八幡であり、勝運の神様が祀られていることでも有名な福岡市東区の筥崎宮。その、参道沿いにあるグラウンドで練習しているのが筥崎ジンジャーズだ。

 個性的なチーム名で、実に縁起の良い場所で活動を行っていることに驚きだが、昨年この筥崎ジンジャーズからU-15日本代表選手が誕生した。

 その選手が渡邊 琉斗(わたなべ・りゅうと)内野手だ。
 日本人の父と、ルーマニア出身の母の間から生まれた。直前の強化合宿で足を痛め、日本代表として参加したU-15 ワールドカップでの出場はなかったが、アクロバティックな守備に豪快な打撃に加え、投げては135キロを記録する高い身体能力を武器に注目を集めた。

 「高校野球では1年生から試合に出て活躍して、高卒でプロにいけるように頑張りたい」と意気込みを語る。U-15ワールドカップでは、滞在先のメキシコでコロナに感染し、1ヵ月以上現地で隔離される不幸に見舞われたが、「良い経験になった」と前向きに捉える。

 進路選択の際には、福岡県内に留まらず全国各地の名門校から勧誘を受けたが、「地元で活躍したい」と東福岡高校へ進学した。福岡を盛り上げる存在となるか注目だ。

飯塚ボーイズ・今村稀翠内野手

U-15代表、184センチの長身左腕など 横浜、福岡大大濠などに進学した期待の逸材たち | 高校野球ドットコム
飯塚ボーイズ・今村稀翠内野手

 ボーイズリーグでは、飯塚ボーイズのヒットメーカー・今村 稀翠(いまむら・きすい)内野手の打撃センスに目を奪われた。

 スイングが「インサイドアウト」の軌道で、緩急のゆさぶりにもしっかりとついていく。コースに逆らわず広角に鋭い当たりを連発し、ここぞの場面では一発長打を放つパワーも併せ持つ。

 九州選抜として出場した鶴岡一人記念大会でも頭一つ抜けた打撃センスを披露し、本塁打を放つなど活躍した。

 高校は神奈川県の名門・横浜高校へ進学したが、「村田監督のもとなら、野球はもちろん、人間的にも成長できると感じた」とその理由を語る。

 守備面では課題を口にするが、春季大会では背番号23でベンチ入りを果たすなど期待の高さも伝わってくる。今後の成長にも注目していきたい

(記事=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.04

「速さが怖かった」 センバツ4強から学んだ走塁で市立柏が千葉の上位を狙う

2024.07.03

2度目の3連覇を目指す九州国際大付をはじめ、シードの久留米商、真颯館、沖学園も初戦に挑む、4日の福岡大会【2024夏の甲子園】

2024.07.04

福岡の公立校に現れた潜在能力バツグンの2年生投手・木村光士郎(田川)がベールを脱ぐ!

2024.07.04

2年前の決勝の雪辱を胸に。日体大荏原「いつも通りのことを淡々と」

2024.07.03

福岡春王者の公立校・春日が圧勝発進、東海大福岡は春夏連続甲子園へ初戦突破

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

スコアラーが8ヵ月後エースに急成長! オリドラ2ルーキーを輩出した聖カタリナ学園(愛媛)に今年も190cm大型投手が現れる!

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!