試合レポート

21世紀枠でセンバツ出場経験のある豊橋工科が今年の公式戦初勝利!海陽学園は1年生右腕の力投実らず【24年夏・愛知大会】

2024.07.01


豊橋工科・中神翔真君

<第106回全国高校野球選手権愛知大会:豊橋工科 3―2 海陽学園>◇30日◇1回戦◇豊橋市民球場

【トーナメント表】愛知大会 結果一覧

東三河地区の学校同士の対決となった。
豊橋工科は、地区一次リーグでは昨秋も今春も勝ち星を得られず、不本意な形で夏を迎えた。また、海陽学園も、今春の東三河地区一次リーグでは未勝利のままだった。

チームとして公式戦初勝利を目指す同士の戦いとなったが、早朝から降り続ける雨のため、試合開始は予定より1時間以上遅れてのプレーボールとなった。試合開始後も、雨は降り続いていた。

2015年には21世紀枠代表として、センバツ出場を果たしたこともある豊橋工科(当時豊橋工)。そんな実績もあるのだけれども、現状は厳しい状況の中で戦わざるを得ない。豊橋工科に新任として赴任4年目、今春から監督に就任した木村陸人もこう話す。
「そうした実績は、機会があれば話してはいますが、もう、昔のことですから…。今はいい雰囲気で戦えるようなチーム作りをしています」
それでも、この日の試合では、苦しみながらも、何とか、このチームの公式戦初勝利を作ることができた。

1点ずつを取り合うという展開の試合。チャンスであと一本が出ない歯がゆさもあったであろう。それでも、豊橋工科は2対2の同点で迎えた7回、1番からの好打順で、先頭の伊藤 大輝選手(3年)が右前打で出ると、盗塁と悪送球で三塁まで進み、3番鈴木 遥大選手(3年)が適時打。これが決勝点となった。

このリードを7回からは先発の山口 翔大投手(3年)をリリーフした中神 翔真投手(3年)が力強い投球で守り切った。9回は三者三振。気迫のこもった投球だった。
木村監督は、「試合開始も遅れて、(雨が降り続くという)こんなコンディションでしたし、調整は難しい状況だったのですけれども、何とかよく、我慢して戦ってくれたと思います。ベンチ内はいい雰囲気でした」と、このチームとして初めての公式戦勝利を素直に喜んでいた。

海陽学園は、1年生の下地 宇宙投手が最後まで投げ切った。毎回のように走者を出しながらも、何とか3失点で切り抜けたのは大健闘と言っていいであろう。しっかりとした制球力の賜物だろう。
なお、現在のメンバーでは2年生がいない海陽学園。1年生も7人しかおらず、秋以降の新チームがどうなっていくのだろう。下地投手がしっかりと投げていただけに、何とか秋季大会に参加できるように頑張ってほしいと願うばかりである。

この記事の執筆者: 手束 仁

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