試合レポート

西尾東vs豊川

2018.07.24

西尾東、3度目の正直で準決勝の壁突破、コールドで初の決勝進出

 

 何度か試合の流れを相手に渡しそうになりながらも、相手の自滅気味なところもあったが一気に自分たちの流れを引き寄せて、一気にコールドゲームで優勝候補筆頭とも言われていた豊川を下した。西尾東としては、過去2度愛知大会でベスト4に進出していたが、そこからの壁の厚さに阻まれてきた。そのベスト4を見て入学してきた選手たちが、記念大会とはいえ厚かった準決勝の壁を突破して、西尾東に新たな歴史を刻んだ。

 

 選手の個々の能力も総合力も豊川の方が一前上という現実は否めないだろうが、西尾東は臆することなく戦った。豊川は1~3回まで1点ずつを入れて徐々にリードを広げていく。ところが4回、そこまであわや大量失点になりそうな場面も磯村投手が踏ん張って1失点のみでこらえてきた西尾東が反撃した。

 

 この回、先頭の3番木村が左翼線二塁打すると、ややもたつく間に三塁まで進む。4番加藤は四球で一三塁となるが、続く神谷太基は併殺となり、その間に三塁走者が生還。しかし、塁上に走者はいなくなった。ところが、6番小柴が左翼二塁打して、再びチャンスを作ると福田の左前打で同点。さらに中村も安打すると、たまらず、豊川の今井陽一監督はエース竹田を諦めて堀田を送り出したが、制球がもう一つ定まらず、連続四球で押し出しとなり西尾東が逆転した。

 

 5回にも西尾東は3四球で一死満塁とチャンスを貰ったものの、ここは5~2~3の併殺で得点できず。試合の流れとしては、これで西尾東に傾いてきたものが一旦は止まったかに思える展開だった。しかし、西尾東の磯村は、リズムを崩すことなく投げ続けた。

 豊川は5回途中から3人目の浅井投手を送り出していたが、もう一つ制球は不安定だった。

6回の西尾東は8番中村が左前打するとバントで二塁進塁。二死となってから、2番神谷友が三遊間深いところへ内野安打して、打球がこぼれる間に本塁を陥れて西尾東がリードを広げた。

 そして7回、西尾東は先頭の加藤が二塁打してチャンスを作り、内野ゴロで走者は入れ替わったものの、その後の四死球で満塁となり、中村の左前打で1点を追加してなおも満塁。スクイズは決めきれなかったもののも結局四死球押し出しが続いて、最後は3番木村が右前へはじき返して7点差としてコールドゲームが成立した。

 西尾東はベンチも、応援スタンドも、喜びがはじけて大騒ぎだった。中日の岩瀬仁紀の壱年後輩でもある寺澤康明監督は、ここ10年ほどの間にベスト4が2度、そして今回初めての決勝進出。記念大会で三河勢にとっては千載一遇の好機が訪れた年に、確実に実績を挙げていくあたりにも、確かなチーム作りの手腕が窺われる。

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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