新野vs阿南工
「タレント集団」新野、初戦を制す!
2018年度から統合校「徳島県立阿南光高等学校」が創立されることに伴い、2019年3月末には共に学校と野球部の歴史を閉じることになる阿南工と新野とが対決。阿南工はエースの井筒 遥大(3年主将・166センチ68キロ・右投右打・美波町立由岐中出身)が気迫あふれるストレート主体の投球で143球完投。打線も4回裏に一死二・三塁から8番・福田 愛衣斗(3年・捕手・170センチ62キロ・右投右打・阿南市立第一中出身)の中犠飛と相手ボークで2点を返す粘りを見せたが、最終的に新野の牙城を崩すことはできなかった。
その新野では数多くのタレントが輝きを見せた。まずは高校通算35本塁打&最速140キロ右腕の4番・折下 光輝(3年主将・176センチ82キロ・右投右打・阿南市立第一中出身)。投げては5四死球とやや制球を乱した中でも8回で96球2失点に抑えるクレバーさを発揮。打っても春先の練習試合では空振りになっていた外角球にも対応し、2本の長打。特に3回表二死一塁から外角低めのストレートを拾いつつ強く叩き、ライナーで右中間を破った適時三塁打は、匠の技すら感じさせるものだった。
折下に内角球を終始強気に要求し続けたのは阿南シティーホープ(ヤングリーグ)で強肩捕手として鳴らし神戸国際大附(兵庫)に一度は進むも、この春に地元へ帰還し1年生として新野に再入学した湯浅 龍星(1年・捕手・171センチ78キロ・右投右打)。8回表・第4打席での右越二塁打は、実力の引き出しがまだあることをうかがわせる。
この2人の他にも中越三塁打含む5打数2安打2打点の6番・高岡 玄地(2年・中堅手・175センチ75キロ・右投左打・生光学園中<ヤングリーグ>出身)は粗削りながらもスピード感あふれる有望選手。1992年センバツでは甲子園初出場で横浜(神奈川)に逆転勝ちした「ミラクル新野」を率い、徳島商も春2回・夏3回甲子園に導いたベテラン・中山 寿人監督による「個」を伸ばす指導で、彼らは着実に実力を蓄えている。
はたして県南の「タレント集団」はこの夏、どこまで昇り詰めるのか?7月22日(土)9:00から「県西のタレント集団」川島との間で行われる2回戦は、彼らにとって実力を試す格好の試金石となりそうだ。
(レポート=寺下 友徳)
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