試合レポート

弘前学院聖愛vs八戸学院光星

2013.07.20

弘前学院聖愛が逆転勝ちで準決勝へ

 弘前学院聖愛八戸学院光星に逆転勝ちし、準決勝進出を決めた。
序盤は投手戦だった。聖愛の先発はエース・小野憲生。光星は背番号10ではあるが主戦投手の佐藤駿

先攻の聖愛は1番・藤元蓮が左翼線に二塁打を放つ。2番・宇庭昭太郎が贈り、一死三塁とした。しかし、3番・一戸将が空振り三振に倒れ、4番・成田拓也は高いサードフライでチェンジ。その裏、光星は一死から2番・増田駿がレフト前にヒットを放ち、3番・滝本拓也が犠打を決めるも、4番・深江大晟はセンターフライに倒れ、両者、得点は入らなかった。

2回、聖愛は一死から6番・森山裕土がレフト前ヒットを放つも、7番・佐々木志門が空振り三振の後、8番・北畠栞人のレフトへの打球を、光星のレフト・滝本が飛び込んでキャッチ。光星は2、3回と三者凡退で終わり、4回にヒット2本などでチャンスを作ったがやはり、得点には至らない。

5回、聖愛が動いた。一死から北畠が四球を選ぶと、続く9番・小野の打球はサード後方、レフト手前に高々と上がり、間に落ちた。ボールは光星のショート・中崎寿希也が捕り、二塁に送球したが、ワンテンポ遅くてセーツに。一死一、二塁で、1番・藤元のセンターフライで二走・北畠が三塁へ。二死一、三塁と変わり、打席は2番・宇庭。その初球で、聖愛ベンチはエンドランをかけたが、宇庭が空振り、三走・北畠は三本間に挟まれてタッチアウトとなった。

どちらもホームが遠く、得点が入る気配すらなかった。


それが6回、光聖は二死から3番・滝本がセンター前ヒットで出塁。4番・深江の打球はショートとレフトの間に高く打上がり、風の影響もあってか打球が間にポトリ。その間に滝本がホームを踏み、光星が1点をもぎ取った。

聖愛は7回に一死一、三塁のチャンスを作ったが、光星の攻守に阻まれて得点ならず。しかし、8回、この回先頭の2番・宇庭が粘って四球を選ぶと、3番・一戸がライト前ヒットを放って無死一、三塁。4番・成田がライト前ヒットで続き、同点に追いつく。さらに、一死満塁で7番・佐々木がレフトへ犠牲フライを放って一気に勝ち越した。

光星は9回、佐藤に代わって八木彬をマウンドに送るも、ストレートの四球を出してすぐさま背番号1を背負う村上孝平に交代。無失点で切り抜け、9回の裏の攻撃を迎えた。しかし、ここまで流れをつかみきれていなかった光星は4番・深江がサードゴロ、5番・北條裕之がレフトフライ、そして、6番・蔡鉦宇がショートフライに倒れた。ゲームセット。

聖愛が2−1の逆転勝ちで準決勝に駒を進めた。

昨夏まで3季連続で甲子園の決勝を戦った光星だが、現チームはなかなか勝てず、苦しんだ。先輩たちがつかみ取った数々の優勝旗は返還し続け、戻って来たことはない。この夏こそ、という気持ちが出ていた。一方の聖愛は初の聖地へかける気持ちが全面に出ていた。甲子園への思いがぶつかり合った好ゲームに、場内は拍手喝采だった。 

(文:編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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