土浦三vs土浦一
土浦対決は、攻守に一日の長があった土浦三が完封で制す
この春、改装となった、かつての[stadium]土浦市営球場[/stadium]は、ネーミングライツで[stadium]J:COMスタジアム土浦球場[/stadium]となった。その最初の夏の大会の試合が、土浦市内の公立校同士の対戦となった。言うならば、新球場を飾るにふさわしい土浦ダービーである。
土浦一は、言わずと知れた県南の名門校で、今年も東京大に20人、東北大25人、筑波大には41人もの合格者を輩出している県内でも有数の進学校である。それだけに、地元でも頑張っている野球部に対する人気は熱い。
そんな土浦一に、負けてはならじと挑んだ土浦三である。むしろ叩き上げ的な逞しさがあると言ったら語弊があるかもしれないが、チームとしての力強さも兼ね備えていた。
土浦対決に日曜日ということもあって、スタンドは早くから多くの人が詰め掛けていた。初回に土浦三は一死から、2番片岡 美稀君以下、山田 哲也君、1年生の4番濱崎 鉄平君と3連打で1点を先取する。そして、試合の流れを大きく左右したのが4回の攻防だった。土浦一はここまで2安打で、チャンスらしいチャンスのないままだった。4回表も走者を出したものの二塁へ進められなかった。
そしてその裏、土浦三は一死一、三塁という場面でスクイズを試みたが三走が自重して、二死二、三塁となる。チャンスを潰しかけたところだったが、一番に抜擢されている宮田 侑資君が1年生ながら、松浦 三喜男監督の起用に応えて、中前へはじき返して2点タイムリーとなった。さらに、片岡君も左越二塁打してこの回3点が入った。
これで、試合は土浦三のペースとなったが、左腕中口君は、スイスイと心地よさそうに投げていって、結局9回で被安打3の完封。三塁も踏ませないという好投だった。中口君はストレートと、大きなタテのスローカーブのコンビネーションも巧みで、これが効果的だった。
チームとしても、全体に粘り強さというか、ねちっこいチームという印象である。8回にもダメ押しともいえる追加点を挙げて、先制、中押し、ダメ押しと、まさにイメージ通りの展開だったいとってもいいものだったのではないだろうか。
(文=手束 仁)
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